情報管理の重要性 ~個人情報保護法、マイナンバー制度を踏まえて~

執筆者:安井慎二氏(カプセルウェア株式会社 代表取締役社長)

※所属・肩書は掲載当時のものです。

1.マイナンバー法の背景と目的
国民全員に個人番号を割り振るという制度は、昭和43年の佐藤内閣による個人コード構想以来何度も構想されては立ち消えになってきましたが、平成25年に安倍内閣でマイナンバー法が公布され、昨年10月には個人番号通知カードの配布が開始されました。この背景には平成19年の消えた年金記録問題による情報管理の重要性の再認識があると思われます。マイナンバー制度の目的として、政府は、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現、の3点を挙げています。この3点目が特に重要で、税や社会保障で脱税や不正受給等の不公平・不公正を回避するために、マイナンバー制度により各個人の所得を正確に把握することこそが制度の眼目であると言われています。
2.個人が気を付けること
ある調査によればネット上の投稿ではマイナンバー制度に対しネガティブなものが6割を占めるという結果が出ています。また個人所得の把握が徴税強化につながるという根強い反対意見があります。但し、一般のサラリーマン世帯では、所得は源泉徴収制度を通じて既に正確に把握されているので、特段の問題はありません。一方で、会社に届けていない副業や税務署に届けていない所得・隠し口座がある人々にとっては、不正を正すべき時機となっています。個人として気をつけることは、自分のマイナンバー情報を提出するのは必要最低限に限るべきということです。今後、マイナンバーへの銀行口座情報等ひも付け等、利用範囲の拡大も予定されていることから、個人にとっても情報管理の重要性が増加していると思われます。
3.事業者が気を付けること
事業者は、源泉徴収制度の下、徴税や社会保障費収納の直接窓口となっています。政府は情報漏えいの懸念に対応するためにマイナンバー情報の不正な漏えいに対し強い罰則規定を設けました。また殆どの罰則に両罰規定が設けられているため、担当者個人が犯した罪でも事業者には大きなダメージとなります。このため、事業者はマイナンバー法や同ガイドラインで求められる安全管理措置を講じる必要があります。安全管理措置は、組織的、人的、物理的、技術的安全管理措置の4つに分けられます。この内、物理的安全管理措置と技術的安全管理措置については、情報漏えい対策ソフトの活用等、システム対応が必要であると思われます。

2016/1/15 発行 IPOかわら版【第27号】掲載

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