当監査法人では、法人内部でさまざまな研修を実施し、サービスの質の向上に努めるとともに、円滑なコミュニケーションを図っています。また、外部の研修会やセミナーにも積極的に参加し、新しい知識やスキルの習得を行っています。そして、アライアンス先を始めとする他社様と共同で勉強会を実施したり、海外提携先の各種イベントに参加したりすることにより、最新の情報を入手し、外部のスペシャリストと強固な関係を築いています。
その中でも、代表的な活動を以下にご紹介します。
2023年
モリソン・グローバル インターナショナル/アジアパシフィック カンファレンス2023 IN 東京
当監査法人が提携しているグローバルアソシエーションであるMorison Globalのアニュアルカンファレンスが、11月28日から30日の3日間にわたって東京で開催されました。
今回のカンファレンスは、当監査法人の業務提携後に初めて日本で開催されたものとなり、世界各国から約140名のメンバーが参加しました。
< モリソン・グローバルCEOのKenny Young氏(中央)と >
今回のカンファレンスでは当監査法人が初めて開催国のホストファームとなったこともあり、カンファレンスの準備期間も含めて様々な経験を積むことが出来ました。
また、セミナーやメンバーとのコミュニケーション等を通じて大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
今回のカンファレンスを機に、更なる情報交換やクライアントの紹介等を通じて良好な関係を構築できていると考えています。
これからも私たち監査法人A&Aパートナーズは、モリソン・グローバルの提携メンバーとしてクライアントの皆様の様々なニーズに応えることができるようサービスの向上に邁進してまいります。
2022年
モリソン・グローバル アジアパシフィック カンファレンス2022 INクアラルンプール
当監査法人が提携しているグローバルアソシエーションMorison Globalのアジア・アニュアルカンファレンスが、11月10日から12日の3日間にわたってマレーシアのクアラルンプールで開催されました。今回のカンファレンスは、2019年11月にアラブ首長国連邦のドバイで開催されて以来の3年振りの開催となりました。
今回のカンファレンスには、19の国と地域から約70名のメンバーが参加しました。
当監査法人からはパートナーの寺田、スタッフの須永・島津の3名で参加しました。
< モリソングローバルCEOのKenny Young氏(右)と >
今回のカンファレンスは、新型コロナウイルス感染症が未だ余談を許さない状況であることの配慮を踏まえたカリキュラムでした。
その中でも、セミナーやテーブルディスカッション等を通じて大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
なお、翌年では東京での会議を予定しており、そのプレゼンテーションも実施しました。
モリソングローバルは、前身のモリソン・インターナショナルのときから数えて今年で30周年を迎えました。これまでも、情報交換やクライアントの紹介等を通じて良好な関係を構築できていると考えています。
これからも私たち監査法人A&Aパートナーズは、モリソングローバルの提携メンバーとしてクライアントの皆様の様々なニーズに応えることができるようサービスの向上に邁進してまいります。
2019年
モリソンKSi インターナショナル/アジアパシフィック カンファレンス2019 INドバイ
当監査法人が加盟しているグローバルアソシエーションMorison KSi International (モリソンKSi )のアニュアルカンファレンスが、11月12日から14日の3日間にわたってアラブ首長国連邦のドバイで開催されました。今回のカンファレンスは、毎年参加しているアジアパシフィック地域のアニュアルカンファレンスとともにモリソンKSi全体のインターナショナルカンファレンスも兼ねて開催されました。
今回のカンファレンスには、36の国と地域から138名のメンバーが参加しました。また、モリソンKSiが提携している法律関係のグローバルアソシエーションであるIAGグローバルと初めて合同でカンファレンスを開催しており、IAGグローバルからは52名のメンバーが参加しました。
当監査法人からはパートナーの加賀美、寺田の2名で参加しました。
< モリソンKSi会長のJean-Pierre Larroze氏と >
今回のカンファレンスの特色としては、参加者間同士でコミュニケーションを図ることがより重視された内容でした。
具体的には、
・テーブルディスカッション
・スピードネットワーキング
等に多くの時間が費やされました。
テーブルディスカッションのテーマとしては、大きく以下の2点がありました。
① ネットワークのあり方
② グループ監査
特に、ネットワークのあり方については、今回カンファレンスでもっとも時間が割かれたテーマであり、その導入部分の講演も含めて全体の半分弱を占めていたように思います。テーブルは7~8名で一つの構成で、ネットワークのコンセプトの話から、ナレッジの共有・研修のやり方等の個別具体的な話まで、数多くの議論がなされました。また、当該ディスカッションを通じて様々な国の会計士業界の動向や組織運営の考え方等も知ることが出来て、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
スピードネットワーキングは、会議事務局から事前に指定された参加者と、ひとり当たり20分程度のコミュニケーションを図るというものです。ここ数年で新規参加者が増えてきたため、改めて自己紹介を含めたコミュニケーションを促す時間帯となり、こちらも大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
モリソンKSiは、前身のモリソン・インターナショナルのときから数えて今年で27周年を迎えました。年々加盟者数が増加していますが、設立時から重要視している加盟者同士のコミュニケーションを大切にし、良好な関係を構築できています。
私たち監査法人A&Aパートナーズは、モリソンKSiのメンバーとしてクライアントの皆様の様々なニーズに応えることができるようサービスの向上に邁進してまいります。
2018年
モリソンKSi インターナショナル/アジアパシフィック カンファレンス2018 INベトナム
Morison KSi International and Asia Pacific Conference 2018,
Da Nang, Vietnam,12-14 August 2018
当監査法人が加盟しているグローバルアソシエーションMorison KSi International (モリソンKSi )のアジアパシフィック地域のアニュアルカンファレンスが、8月12日から14日の3日間にわたってベトナムのダナンで開催されました。
今回のカンファレンスには、22の国と地域から35事務所、61名のメンバーが参加し、当監査法人からはパートナーの岡、宮之原の2名で参加しました。
< 左から、岡、宮之原 >
昨今リゾート地としての進境著しいダナンでの開催であり、張り切って海水パンツも準備して行きましたが、何と3日間全て曇りで肌寒くさえありました(泣)。街の印象としては、活気や勢いは至る所で感じられる一方、観光客の増加に対し空港の処理能力が間に合っておらず大混雑になっているなど、インフラ面での課題も感じられました。
カンファレンスではまず、モリソンKSiの近況についての報告が行われました。モリソンKSiは、2016年にモリソン・インターナショナルとKSiが合併したことにより、加盟者、事業拠点を大きく増加させました。現在では、加盟事務所数は160、加盟事務所の所在地は82カ国にのぼっています。モリソンKSiのウェブサイトをリニューアルし、内容の充実も図られ、日本語での公開も行われています。
【URL:https://www.morisonksi.com/ja】
会計・監査の専門部会でのテーマは収益認識でした。我が国においても収益認識に関する会計基準の適用は大きな話題ですが、これは我が国に限った話ではなく、世界的にも重要なトピックです。程度の差こそあれ、会計基準のコンバージェンスにはどこの国もいくらかの痛みはあるようです。影響について、米国人の講師が熱っぽく語っていたのが印象的でした。
その他、新規加盟事務所の紹介、ホスト国であるベトナム経済の研究、サイバーセキュリティに関する講義、果てはプレゼンテーションスキルのワークショップまで、盛りだくさんの3日間でした。夜は連日パーティーで、各国加盟事務所のメンバーとの交流を深めましたが、どのように職員の採用活動を行っているのかについて聞かれることが多くありました。モリソンKSiのメンバーは多くが中小規模の法人であるため、優秀な人材をいかに集めるかということが各加盟事務所の共通したテーマのようでした。
モリソンKSiは、前身のモリソン・インターナショナルのときから数えて今年で26周年を迎えました。年々加盟者数が増加していますが、設立時から重要視している加盟者同士のコミュニケーションを大切にし、良好な関係を構築できています。
私たち監査法人A&Aパートナーズは、モリソンKSiのメンバーとしてクライアントの皆様の様々なニーズに応えることができるようサービスの向上に邁進してまいります。
2017年
モリソンKSi インターナショナル/アジアパシフィック カンファレンス2017 IN韓国
Morison KSi International and Asia Pacific Conference 2017,
Seoul, South Korea,21-23 September 2017
当監査法人が加盟しているグローバルアソシエーションMorison KSi International (モリソンKSi )のアジアパシフィック地域のアニュアルカンファレンスが、9月21日から23日の3日間にわたって韓国のソウルで開催されました。
今回のカンファレンスには、22の国と地域から70名を超えるメンバーが参加し、当監査法人からはパートナーの町田、寺田とともに久保田、阪口、間所の5名で参加しました。
< 左から、久保田、町田、寺田、阪口、間所 >
直前の北朝鮮をめぐる情勢から不安視していた面もあるのですが、日本出国から帰国まで何事もなく無事にカンファレンスを終えることができました。
カンファレンスではまず、モリソンKSiの近況についての報告が行われました。モリソンKSiは、2016年にモリソン・インターナショナルとKSiが合併したことにより、加盟者、事業拠点を大きく増加させました。現在では、加盟事務所数は158、加盟事務所の所在地は80カ国にのぼっています。モリソンKSiのウェブサイトをリニューアルし、内容の充実も図られ、日本語での公開も行われています。
【URL:https://www.morisonksi.com/ja】
会計・監査、税務、コーポレート・ファイナンスの3グループに別れて行ったディスカッションでは、会計・監査の専門部会に参加しました。
不正事例についてのビデオをもとに、監査を行う中で不正の兆候を発見した場合など、難しい局面で監査人としてどのような対応をとるべきかについてのディスカッションを実施しました。
不正の兆候をどのような段階で認識したかにより、取りうる手段は変わってきます。また、不正の兆候を見過ごすことなく、監査人として毅然とした対応を取ることが必要になります。不正に如何に対応するかということは、日本だけでなくすべての国にとって重要な関心事になっていることが改めて実感されました。
その後は、それぞれの会計事務所がどのようにクライアントを獲得しているのか、どのように職員の採用活動を行っているのかについてのディスカッションを行い、当監査法人の寺田がパネリストとして祭壇しました。モリソンKSiのメンバーは皆、中小規模の法人であるため、クライアント獲得のための取り組みや、新規職員採用のためにアピールしている活動などを知ることができ、大変参考になりました。
< パネリストとして当監査法人についてのプレゼンテーションを行う寺田 >
モリソンKSiは、前身のモリソン・インターナショナルのときから数えて今年で25周年を迎えました。年々加盟者数が増加していますが、設立時から重要視している加盟者同士のコミュニケーションを大切にし、良好な関係を構築できています。
私たち監査法人A&Aパートナーズは、モリソンKSiのメンバーとしてクライアントの皆様の様々なニーズに応えることができるようサービスの向上に精進してまいります。
2016年
モリソンKSi インターナショナル/アジアパシフィック カンファレンス2016 INタイ
Morison KSi International and Asia Pacific Conference 2016,
Bangkok, Thailand,11-13 November 2016
当監査法人が加盟しているグローバルアソシエーションMorison KSi(モリソンKSi )のインターナショナル及びアジアパシフィック地域のアニュアルカンファレンスが、11月11日から13日の3日間にわたってタイのバンコクで開催されました。
今回のカンファレンスは、モリソンKSiとなって初めての集まりであったため、世界中の国と地域から160名を超えるメンバーが参加しました。当監査法人からは、パートナーの岡、マネージャーの久保田、及び間所が参加しました。
バンコクに到着後、ホテルまでの道中の街の様子を見てみると、プミポン国王が10月に亡くなったことにより、多くの人が黒い服装であったり、喪章をつけていたりしていました。国王がいかにタイ国民から慕われていたかをうかがい知ることができました。
カンファレンスでは、モリソンとKSiが合併したことによるマーケティングの仕方、ブランドの構築についてのプレゼンテーションを受け、話し合いを行いました。
会計・監査の専門部会では、監査を実施するに当たってのリスクの評価方法や、監査手続の一つである分析的手続についてのディスカッションを行いました。会計不正に関しては依然として関心が高く、いかにして会計不正を防止、発見しつつ、効率的な監査を実施するかが論点となりました。
また、監査報告書で「監査上の主要な事項(Key Audit Matter)」を開示することとなった英国の事例についての紹介がありました。日本でも、監査報告書の様式を変更することが議論されており、今後同じようになっていくものと思われます。
監査人に対して求められる事項が変化しつつある状況において、適切に対応することの重要性を再確認しました。
アニュアルカンファレンスに参加することで多くの国のメンバーと直接的なコミュニケーションを取ることができ、クロスボーダーの案件で協力することができています。今後もモリソンKSiとして、お客様へ充実したサービスを提供できるように進めてまいります。
2015年
モリソンインターナショナル アジアパシフィック カンファレンス2015 INカンボジア
Morison International Asia Pacific Conference, Cambodia,
29-30 October 2015
当監査法人が加盟しているグローバルアソシエーションMorison International(MI)のアジアパシフィック地域のアニュアルカンファレンスが、10月29日から31日の3日間にわたってカンボジアのプノンペンで開催されました。アジア諸国を中心とした参加者との意見交換、交流を図るため、当監査法人からはパートナーの寺田、マネージャーの久保田、及び間所が参加しました。
< 左から久保田、寺田、間所 >
カンファレンスでは、アジア太平洋地域の経済環境や税制に関する情報やビジネスの成功事例のほか、MIのネットワークファームのビジネス展開に有用な様々な情報が共有され、これらについて活発な意見交換がなされました。
会計・監査の専門部会では、会計不正に対する世界的な関心の高まりを反映し、不正に対する監査人の対応がメインテーマとされました。不正の類型や頻度、経済的影響等といったマクロ的な分析資料やいわゆる「不正のトライアングル」に代表される不正理論の考察に加え、過去の不正会計事例の分析を通じて、我々監査人が果たすべき役割について議論がなされました。とりわけ、過去の巨額不正会計事例に対する各国参加者の関心は高く、どの国でも会計不正は監査人にとってより身近な問題として捉えられており、監査人はより厳格な対応が求められているようです。
今回のカンファレンスには、アジアを中心に約30の国と地域から100名近くのメンバーが参加しました。アジア諸国に進出している日本企業は多く、アジアのメンバーファームとはビジネスでの接点が多くあります。そのため、お互いの経済事情、会計・監査をめぐる状況等について参加者と話し合うことにより、有意義な交流を図ることができました。今後もメンバーファームとの関係を深め、お客様のニーズに応えられるような体制を築いていきたいと考えています。
海外会計・監査調査研究基金資産(岡本ファンド)による海外派遣研修 INシンガポール
International Business, Finance and Investment in Singapore 31 August to 4 September 2015
研修概要
海外会計・監査調査研究基金資産(岡本ファンド)は、1993年7月に公認会計士の故・岡本丸夫氏からの寄付金により、海外研修の機会が十分でない公認会計士の方に、アジアを中心にその機会を提供するとともに、現地進出日系企業の経営活動がどのような環境下で行われているかの理解を深めることを目的として、日本公認会計士協会に設けられました。この岡本ファンドにより毎年数名の公認会計士が海外の大学に派遣され、会計・監査等に関する講義を受け、現地の企業を訪問するといった研修が行われています。
今回は、前年と同様にシンガポールの南洋理工大学(NTU :Nanyang Technological University)に派遣され、他の4名の参加者とともに当監査法人から間所が参加しました。
研修の内容は、シンガポールの投資環境、経済状況、会計・監査制度、税務制度、海外からの投資手法、銀行及びファイナンスの基礎等多岐にわたります。NTUでの講義のほか、現地に進出している日系企業や、現地で活躍している中小企業、現地の中小会計事務所、及び内国歳入庁(IRAS)を訪問し、それぞれの訪問先で様々な話を伺いました。また、研修の最終日には、シンガポールの中小規模の会計事務所、シンガポール勅許会計士協会(ISCA:Institute of Singapore Chartered Accountants)から来ていただいた方々とディスカッションを行い、日本の公認会計士制度の紹介や、それぞれが直面している課題等について意見交換を行いました。
現地で印象的だったこと
今回の研修の中で、私、間所にとって印象に残った事項についてご紹介させていただきます。
シンガポールは貿易、金融、交通、教育などさまざまな面でハブとしての機能を有しています。ではなぜ、シンガポールはハブとしての地位を確立できたのでしょうか。
その理由の一つが地理的特徴です。シンガポールの地理的特徴を簡単にご紹介します。
シンガポールのチャンギ空港は、24時間運営しており、アジア諸国へのアクセスが便利。特にASEAN諸国のほとんどに日帰りで行くことが可能です。
災害を被るリスクが少ない
地震が発生する頻度が少なく、東南アジアのなかでも津波に襲われることが少ないエリアに属しています。また、台風に襲われることも稀であるといえます。
タイムゾーン
金融機関がヨーロッパとアメリカの2拠点に加え、シンガポールに拠点を設けることにより、常に営業を行うことが可能です。アメリカが終業した後にヨーロッパで稼働し、ヨーロッパが終業したあとでシンガポールが稼働し、シンガポールが終業した後にアメリカで稼働することにより、24時間途切れることなく金融取引を継続することが出来ます。
このことは金融のハブとして機能するうえでアドバンテージとなっています。
地理的特徴といっても、物理的な側面以外に時間的側面からも優位性があるとは考えてもみなかったことであり、グローバルなビジネス環境にあるシンガポールの状況を実感しました。
シンガポールの政策、税制、教育制度等、すべてに共通しているキーワードが「競争力(Competitiveness)」であると感じました。シンガポールが外国企業を積極的に誘致するため税率を低くすることや、さまざまな税務上のインセンティブを付与するのも国としての競争力を保つためです。税務上のインセンティブには例えば以下のようなものがあります。
法人税率は17%であり、香港の16.5%に次ぐ低い税率となっています。これだけでも十分に競争力があるといえるのですが、課税所得額が一定額まではさらに免税されるため、実際の実効税率はさらに低くなります。
新設法人の優遇税率
設立後3年間は、先述の部分的免税制度に代えてさらに有利な免税制度を受けることができます(適用要件を満たす必要あり)。
PIC(生産性及び開発に関する優遇措置)
オートメーション機器の購入や、リース、研究開発費、デザイン開発費、従業員の研修費、無形資産の取得費等は、400%の損金算入又は60%の補助金交付を受けることができます(適用要件を満たす必要あり)。
各種ステータスに基づく軽減税率の適用
RHQ(地域統括本部)ステータス、IHQ(国際統括本部)ステータス、FTC(金融・財政センター)ステータスなど、シンガポールの政策に適合する条件を満たした企業は、一定期間の軽減税率の適用を受けることができます。
税制ですら、「いかに競争力を保てるか」という視点から考えられていることに驚きました。
シンガポールは“競争力のある”税制を目指しているため、法人税率は年々引き下げられる一方ですが、2017年度納税分から個人の住民税の最高税率が現在の20%から22%に引き上げられるようです。その主な要因は、高齢化に伴う社会保障費等の負担分をまかなうためです。日本と同様に、シンガポールでも高齢化が問題となっており、税率の引き上げをせざるを得ないようです(とはいえ、日本に比べると依然として低いですが・・・)。
成長を続けているシンガポールですが、成熟してきたからこそ、新たな問題に直面しつつあると感じました。
日本とシンガポールの事情は異なるため、シンガポールで有効な方策が日本にも有効であるとは限りません。しかし、国として明確な方向性を持ち、それを実現させるために様々な政策、制度を設けているシンガポールに見習うべき点がたくさんあるように感じました。
最後に
シンガポールは1965年にマレーシアから独立したため、今年が建国50周年でした。そのような節目の年に、有意義で貴重な経験ができた今回の研修でした。私たちA&Aパートナーズは、さまざまな研修、実務を通してクライアントの皆様のお力になれるよう日々研鑽を積んでいきたいと思います。
the joint MI/MIENA annual conference which coincided with MI’s 25th anniversary, Copenhagen, Denmark
当監査法人が加盟しているグローバルアソシエーションMorison Internationalのアニュアルカンファレンスがデンマークのコペンハーゲンで開催されました。世界各国のメンバーファームの代表との意見交換のため、当監査法人からはマネージャーの久保田が参加しました。
会議では、ITを活用したビジネスネットワーキングの現状と将来像、各国のプロフェッショナルビジネスの特徴や文化的背景など、グローバリズムを前提にした会計事務所や法律事務所の国際的業務提携のあり方について活発な議論が行われました。
会計・監査の専門部会では、主にグループ監査に関する論点整理が行われました。グループ監査人(親会社の監査人)が構成単位の監査人(子会社等の監査人)に対して要求する監査手続等が報告様式の例示とともに議論されました。とりわけ、異なる言語で作成された会計資料や監査調書の査閲やIFRSとローカルGAAPとの差異の網羅的な把握の困難性について活発な議論がなされ、ごく自然な流れとして会計・監査のフィールドにおける共通基軸の必要性が強く提言されました。
EUの会計・税務の部会では、EU各国におけるVATの多様性(特に軽減税率の適用品目の多様性や複雑性)が円滑な取引を阻害する一因となっている可能性を示唆する場面もあり、ここでも制度の共通化、簡素化への取り組みの必要性が議論されていました。
今世界の経済活動はますますボーダレス・シームレスとなっており、会計・監査のフィールドでも、当然そのような経済活動への対応が迫られています。(言語も含め)世界標準構築の流れは、今後もさらに力強く加速していくでしょう。
モリソンインターナショナルには、現在全世界68カ国から96のメンバーファームが加盟しています。今年で創設25周年、急拡大を続ける新鋭ネットワークではありますが、世界的に見ればまだまだ大きなアライアンスとは言えないかもしれません。しかしながら、創設時からコミュニケーションの重要性を強く意識してアライアンスを構築してきたこともあり、家族的で良好なリレーションシップが築かれています。このような風土は日本の文化にも適合するものであり、私たちのクライアントのグローバルな活動に必ずや貢献できるものと考えています。監査法人A&Aパートナーズは、これからも世界各国のメンバーファームとの良好なリレーションシップのもと、クライアントのグローバルな企業活動をサポートしてまいります。
- Morison International についてはこちら( Morison International は、2016年4月1日に Morison KSi Limited に名称変更しております。)