第5話 求められるのは安定か成長か

えー、安藤エイタです。今日は、「実質基準」の市場ごとの特徴についてお話しします。

諸福あゆみ
ホント失礼よね、安藤君って
安藤エイタ
そ、そうじゃないんですよ。ほら、写真だと、実物と違うというか、うまく魅力が伝わらないというか
諸福あゆみ
ちなみに、本人に会った今ではどうなの? 正直に言ってごらんなさいよ
安藤エイタ
んー……実質基準の方でちょっと厳しいんじゃないかと
諸福あゆみ
もういいわよっ
安藤エイタ
というより、私には心に決めた人がいるんですよ
諸福あゆみ
いつも突然なんなのよ
安藤エイタ
当社の上場は、私の将来性が試されている大事な仕事なんです
諸福あゆみ
なんだかわかんないけど、利害は完全に一致するようね。で、私は、何から始めればいいのかしら?
安藤エイタ
まずは、儲けてくださいよ。それが一番重要なんですよ
諸福あゆみ
そりゃそうよね。上場して、すぐに赤字でつぶれちゃいました、じゃシャレにならないものね
安藤エイタ
そうなんですよ。さっき紹介した、東証一部の「実質基準」の審査項目の中でも、「企業の収益性および継続性」が最も重視されているんですよ
諸福あゆみ
継続的に事業を営んでいて、収益基盤が安定していればいいのよね
安藤エイタ
その通りです
諸福あゆみ
東証一部以外の市場の場合は、どうなの?
安藤エイタ
東証二部の場合は、「実質基準」に関しては東証一部と同じなので、やっぱり「企業の収益性および継続性」が最重要です
諸福あゆみ
BASJAQだっけ? そっちの場合はどうなのかしら?
安藤エイタ
JASDAQです、ジャスダック
諸福あゆみ
英語は苦手なんだから
安藤エイタ
先代の社長と同じですね
諸福あゆみ
あら、パパも英語が苦手なの? 気づかなかったわ
安藤エイタ
似てますよ
諸福あゆみ
やめてよ。で、そのJASDAQの場合はどうなのかしら?
安藤エイタ
JASDAQスタンダードの場合は、同じような審査項目として「企業の存続性」というのがあって、やはりこれが重視されるんですよ
諸福あゆみ
どういう内容なの?
安藤エイタ
事業活動の存続に支障を来たす状況にないことですね
諸福あゆみ
似てるわね
安藤エイタ
親子ですもんね
諸福あゆみ
違うわよ。東証一部や二部はもちろん、JASDAQでも、やっぱり安定性が求められるんだなと思って
安藤エイタ
ところが一転、マザーズの場合は、対応する審査項目が「事業計画の合理性」になるんですよ
諸福あゆみ
どういう意味?
安藤エイタ
事業計画を遂行するために必要な事業基盤を整備しているか整備する見込みがあることです
諸福あゆみ
さっきまでとはニュアンスが違うわね
安藤エイタ
同じく、JASDAQグロースの場合は、「企業の成長可能性」になるんですよ。マザーズやJASDAQグロースは、ベンチャー企業向けの市場なので、安定性よりも成長性の方が重視されるんですよ
諸福あゆみ
だから、赤字でも上場できるんだ。聞いたことあるわよ
安藤エイタ
そうですね。確かに上場するまで赤字だった企業が上場した事例もありますよ。でも、それほど多くはないんですよ
諸福あゆみ
そんなに甘くはないのね
安藤エイタ
成長の可能性のあるベンチャー企業だからって、上場後もいつまでも赤字じゃ困りますからね。安定にしろ、成長にしろ、将来性がないとダメってことですよ
諸福あゆみ
今の安藤君と状況は同じね

(つづく)

第6話 上場に必要な「計数管理体制」とは

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