第34回 国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針

みなさん、こんにちは。

今回は、2013年の日本におけるIFRSの動向について、大まかなポイントをご説明したいと思います。

大きな動きとしては、2013年6月に金融庁の企業会計審議会から公表された「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」があります。
これは、2012年7月に公表された「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方についてのこれまでの議論(中間的論点整理)」を踏まえて、その後の1年にわたる議論の結果、公表されたものです。
基本的には、中間的論点整理に記載された内容の再確認というような概要なのですが、新たなポイントとして以下の4点が強調されている事が大きな特徴であると思われます。
1.IFRS対応の当面方針に係る基本的考え方
2.IFRS任意適用要件の緩和
3.IFRSの適用の方法
4.単体開示の簡素化

端的に言えば、日本におけるIFRS強制適用に対する現状のスタンスは、
・強制適用の是非は、未だその判断をすべき状況にない。
・但し、任意適用をする会社を増やすための努力は鋭意行う。
ということになります。

IFRS強制適用に関する意見は依然として賛否様々であり、やはり米国の明確な意思決定が背景にないと、日本としての意見の集約化は困難な状況であると思われます。とは言え、米国の意思決定についても依然として不透明な状況であり、なかなか明確なスケジュールは立てられないというのが実情です。
そのような状況ですが、IFRS策定における日本の影響力を維持するために、ある程度のIFRSの適用状況を世界に対して示す必要はあります。任意適用の増加は、このために必要であるとされています。つまり、日本はIFRS未適用国ではありますが、将来的なIFRSの(強制)適用を前提として、IASBの理事やモニタリング・ボード、アジアサテライトオフィスの設置等にて非常に高い位置づけを得ていますが、現状のままで時間が過ぎていくにつれ、その前提に疑義が生じることになる恐れがあるということです。
その点については、自民党の「企業会計に関する小委員会」が平成25年6月13日付けで公表した「国際会計基準への対応についての提言」のなかでも触れられており、以下のような内容が記載されています。

・『安倍首相が表明した「集中投資促進期間」(3年間)のできるだけ早い時期に、強制適用の是  非や適用に関するタイムスケジュールを決定するよう、各方面からの意見を聴取し、議論を深めることが重要である。』
・『モニタリング・ボードのメンバー要件の審査が行われる2016年末までに、300社程度の企業がIFRSを適用する状態となるよう明確な中期目標を立て、その実現に向けてあらゆる対策の検討とともに、積極的な環境を整備すべきである。』

以前に、当時の金融担当大臣が「IFRSの適用判断は政治マターとする」旨の発言をしたことがありましたが、当該提言についても、政治主導の形で
・「3年」以内の意思決定(タイムスケジュールの明確化)
・「300社」のIFRS任意適用
という具体的な数字が示された点が特色だと思われます。

そのような背景のもと、IFRSの任意適用要件の緩和が行われました。
旧基準では、「資本金20億円以上の海外子会社を有する」というような、かなりハードルが高い要件が設定されていました。
今では、実質的に「IFRSによる連結財務諸表の適正性確保への取組・体制整備をしていること」のみが要件となっており、IFRSを志向する全ての上場会社や上場準備会社がIFRSの任意適用を行う事が出来る状況になっています。

東証のHPによれば、2013年末時点でIFRSの任意適用済みの会社は16社、適用予定の会社は5社となっており、合計20社程度の状況です。その他にも40社程度が、正式な公表は行っていないもののIFRS適用予定であると言われています。このような状況をどのように評価するのかは人それぞれだと思いますが、「300社」を目標に掲げるのであれば、2014年を含む今後のIFRS任意適用を促進するような施策については要注目であるものと思われます。

ということで、今回はこの辺で。。。

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