第29回 IFRS10~13号の公表

みなさん、こんにちは。

この夏は、タオルが手離せない寺田です。(極度の汗っかきなもので・・・)
今週は相当暑いですが、夏休みをとられている方も多いようで、電車が空いているのがせめてもの救いです。(ちなみに、執筆している本日は8月10日です。。)

今回は、今年の5月に公表されたIFRS10~13号の概要について触れたいと思います。
本当は、6月中にHPにアップしようと思っていたのですが、日本において色々とIFRS関連の動きがあったので、ここまで伸びてしまいました。。。

それまでは、IFRS9号「金融商品」が、新設された基準では最新のものだったのですが、ここにきて一気に4本の基準が新設されたことになります。
具体的には、
IFRS10号 : 「連結財務諸表」 (Consolidated financial statements)
IFRS11号 : 「ジョイント・アレンジメント」 (Joint arrangements)
IFRS12号 : 「他事業体への持分の開示」 (Disclosure of interests in other entities)
IFRS13号 : 「公正価値測定」 (Fair value measurement)
の4本です。

上記4つの基準は、それぞれボリュームもあり、それなりの論点・ポイントがあると思われます。但し、結論から言うと、標準的な会社であれば、実務的に大きなインパクトのあるような類の基準ではないように思います。

ですので、今回のコラムでは、上記4つの基準について、思いっきり簡略にポイントを私見込みで書きたいと思います。

1.IFRS10~12号について
IFRS10号は、これまでのIAS27号からの差し替えになりますが、「連結の範囲」についての考え方や、より詳細なガイドラインが規定されたことがポイントです。逆に言うと、「連結の範囲」以外については特に大きなポイントはありません。
「連結の範囲」についての基本的な概念である「実質支配力基準」自体は、IAS27号とIFRS10号との間に違いはありませんが、何をもって「支配」していると見なすかに関する規定が、IFRS10号においては、より充実した内容になっています。
詳細については、また改めて取り上げたいと思っていますが、今回はそのキーワードのひとつとして「パワー」(Power)という単語が使用されていることだけでも知っておいて頂ければ、と思います。
IFRS10号によって、「連結の範囲」の基準に関して、比較的、考え方が整理・充実されてきているとは思いますが、最終的には各会社において『判断』することになると思われる点にはご留意下さい。とは言え、今回のIFRS10号によって、現状の連結範囲から大きな変更を迫られる日本企業は少ないと思います。(もともと、IAS27号ベースで、日本基準でいう議決権が40~50%の場合等の数値基準がない点については、既に論点として認識されていると思いますので・・)

2.IFRS11・12号について
IFRS10号と併せて、IFRS11・12号も、端的にいうと連結に関する一連の規定です。
つまり、
IFRS10号 : 親会社が単独で支配しているか、に関する観点
IFRS11号 : 親会社が別会社とともに共同で支配しているか、に関する観点
IFRS12号 : 単独支配、共同支配に関する開示
という整理で差し支えないと思います。

ちなみに、ジョイント・アレンジメントとは、基準上は「複数の関係者が共同支配を有する契約上の取り決め」と定義され、当該契約内容に応じて、比例連結や持分法が適用されることになります。

3.IFRS13号について
IFRSの特徴のひとつに、貸借対照表項目の「公正価値」を重視している点が良く挙げられます。したがって、その意味ではIFRS13号は非常に重要な基準であると言うことが出来ます。
その内容も、アカデミックな観点から、体系的に公正価値測定について良く整理されているような印象を受けます。但し、内容そのものについては、特に新しい事は記載されていない印象も受けました。
実際に、決算実務において展開する際には、やはり悩ましい点は依然として残ると思われます。先ほどのIFRS10号と同様で、最終的には会社の『判断』による部分が大きくなりそうです。少なくとも、個人的に重要視している「非上場株式の時価評価」に関しては、依然悩ましいままです。

そう考えると、IFRS10号もIFRS13号も、「原則主義」の色合いが強い基準である、と言えると思います。

新基準の大まかなポイントは以上になります。

今後も、IFRS14号、15号・・・と随時公表されると思われます(リースや収益認識などもこれから公表予定ですし)。その際には、なるべく皆様に、『分かりにくい基準をより分かりやすく』をモットーに情報発信出来れば、と思っています。

という訳で、今回はこの辺で。。。

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