第4回 有形固定資産

みなさん、こんにちは。
今回は有形固定資産です。
先に言っておくと、今までで一番長いコラムになってしまいました。。。。
もっと先に言っておくと、次回は今までで一番短い予定です。(決算繁忙期ですし。)

国際会計基準では、IAS第16号IAS第16号「Property, Plant and Equipment」において包括的に規定されています。基本的な骨子は、日本基準と大きな骨子は変わらないですが、以下の5つが大きく異なる点だと思われます。
(1)再評価モデル
(2)資産除去債務
(3)減価償却方法の決定に関する考え方
(4)コンポーネントアカウンティング
(5)減損会計

ですので、今回は上記5つのポイントについて触れていきたいと思います。
(1)再評価モデル(対応する概念は取得原価モデル)
IAS第16号では、当初認識後の有形固定資産の測定に関し、同一区分の資産すべてに採用することを条件に再評価モデルによる評価の選択適用が認められています。つまり、取得後において定期的に該当資産の公正価値を測定し、貸借対照表価額を修正することができます。その際は、鑑定士による評価や取替原価に基づいて推定する方法などがあるとされています。
有形固定資産に関して、取得原価主義による考え方(事業に供している有形固定資産に対する費用配分の原則)がどうしても念頭にきてしまう身としては、ちょっと考えづらいモデルです。減損会計ならまだしも・・・。ただ、BS重視(資産の公正価値重視)の考え方を踏まえると、納得感はあると言えるでしょう。
理解の一助のために、簡単な仕訳イメージを以下にお示しします。

≪仕訳のイメージ≫
取得原価100、減価償却累計額60の建物を期末時に再評価したところ、その公正価値が50であった場合には、以下の2通りの仕訳が考えられます。
①簿価40の建物をいったん取り消し、改めて50の資産を取得したとみなす仕訳

借方 貸方
減価償却累計額 60 建物 100
建物 50 再評価剰余金 10

再評価剰余金勘定は、株主資本の貸方項目として表示され、その後残存年数期間内に利益認識されることになります。再評価の結果マイナスの場合は、固定資産再評価損として一括損失計上されます。

②既存の建物および減価償却累計額を修正し、ネットの簿価を再評価価額に合わせる仕訳

借方 貸方
建物 25 減価償却累計額 15
- - 再評価剰余金 10

ネット簿価が40から50に25%増加しているので、グロスベースでもそれぞれ25%乗じた金額を加算します。

(2)資産除去債務
これについては、日本においても「資産除去債務に関する会計基準」が定められており、2010年4月1日以降開始事業年度より強制適用されることになるため、両者の相違が解消されることになります。
詳細な説明は割愛しますが、要は、将来の原状回復費用を負債計上するってことです。「資産除去債務に関する会計基準」を読んだところ、相当IFRS を参考にした内容となっている気がします。その結果、将来キャッシュフローに対する割引率の考え方については、金融商品会計にもないような詳細な規定になっています。その辺の割引率の考え方は、今後も主流になって他の会計基準にも展開されていくような気がして、ちょっと面倒臭い感じです。。。

(3)減価償却方法の決定に関する考え方
IAS第16号では、減価償却方法としては資産の経済的な便益が費消されるパターンを反映した方法を採用しなければならないとされています。一方、日本基準では、所定の計画的・規則的な方法のなかで会計方針として選択するとされています。日本では、皆さんご存知のとおり、経済的な便益が費消されるパターンを特に考慮することなく、法人税法上の限度額を考慮して減価償却方法を選択するケースが専らです
また、IASでは、毎期、有形固定資産の耐用年数・残存価額を見直さなければならないとされています。その結果、年々の償却額が変動することが考えられます。
その結果、減価償却方法の変更については、日本基準では会計方針の変更に該当しますが、国際会計基準では会計上の見積りの変更として取り扱われることになります。

(4)コンポーネントアカウンティング
大層なネーミングですが、これも減価償却方法の考え方のひとつです。コンポーネントアカウンティングとは、資産の重要な構成要素で耐用年数や償却方法が異なるべきであるものについて、それぞれ別途で減価償却計算する方法のことです。国際会計基準上ではこの考え方を要求しています。

例えば、船舶のオーバーホール費用については、
国際会計基準:取得原価の一部をオーバーホール費用という無形の構成要素に配分し、船舶自体とは異なる耐用年数(次のオーバーホール費用の発生までの年数)で減価償却。オーバーホール費用発生時には、再度、資産の取得原価に算入し、また減価償却。
日本基準:特別修繕引当金の計上

で取扱いが異なってきます。

≪コンポーネントアカウンティングの仕訳のイメージ≫
船舶の取得原価 150(3年後の「ドッグでの修理・点検」を含む)
船舶の耐用年数 9年
見積ドッグ費用 15 ・・・ドッグでの修理・点検は3年毎に発生する
とした場合は、以下のような仕訳が考えられます。

①取得時

借方 貸方
船舶(本体) 135 現金預金 150
船舶(ドッグ費用) 15  - -

②1期目以降の減価償却

借方 貸方
減価償却費 20 減価償却累計額 20

→本体部分(135÷9=15)とドッグ費用部分(15÷3=5)の合計

③3期目にドッグ費用の支出が15発生

借方 貸方
船舶(ドッグ費用) 15 現金預金 15

→支出時に費用計上ではなく、日本基準でいう資本的支出に準じた方法。
その後、また上記②と同様に3年で減価償却される。

(5)減損会計
IAS36号「資産の減損」において別途定められています。
ここについては、また来月に触れていきたいと思います。

ということで、また来月・・・

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