第2回 国際会計基準って?

みなさん、こんにちは。
今回は、「国際会計基準」ってなに?というテーマで、徒然と書きたいと思います。

一般的に国際会計基準と言われているものについては、正式にはIAS(InternationalAccountingStandard)と言われる、まさに「国際会計基準」と、IFRS(InternationalFinancialReportingStandard)と言われる「国際財務報告基準」とがあります。
日本では、前者は「アイエーエス」という風に呼ばれてますが(そのままですけど・・)、後者は「イファース」とか「アイファース」という風に呼ばれています。
僕の知る限り、IFRSの呼び名は今イチ統一されていない感じがします。そのうち、どちらかに自然と統一されることになるんでしょうけど。ちなみに、僕は専ら「イファース」って言ってます、何となく。

IASとIFRSとの間には特に重要な違いはなく、簡単に言うと、ある時期から単に名称が変わっただけの違いです。
1973年6月に国際会計基準委員会(IASC)という機関が設立されて、その活動を受け継ぐ形で、2001年4月から国際会計基準審議会(IASB)という機関が活動を開始しました。ここで、IASCのもとで設定された会計基準をIASといい、IASBのもとで設定された会計基準をIFRSといいます。つまり、基準自体に差異があるのではなく、その設定母体が変更したことにより、基準の名称も変わったということです。
IASBのもとで、新しい会計基準が作成されればIFRS1号、IFRS2号・・・と連番が付されますけど、IASBが既存のIASの基準を改定したのみであれば、従来通りのIAS○号という呼称が引き続き使用されます。従って、現状ではIAS○号とIFRS○号という2種類の基準の呼称が存在することになりますが、特に内容等で大きな差異はありません。

2008年1月末現在で、37の基準書があるようです。本文の一番最後に、基準名を列挙してますので、興味のある方はちょっと見てみて下さい。
それに加えて、27の解釈指針書というものもあります。「国際財務報告解釈指針委員会」などが設定した、より詳細かつ具体的な基準書のガイダンス的な内容で、日本で言えば「適用指針」や「実務指針」に相当するものです。

日本からみて、国際会計基準の特徴点として主として以下の2点が、一般的に言われているようです。
・原則主義であること
・B/S重視(資産負債アプローチ)であること

「原則主義」については、これに対する概念として米国基準が「規則主義」と言われていることを踏まえれば、分かりやすいと思います。つまり、「規則主義」がかなり具体的なところまで規定化されていて、議論の余地なく実施すべき会計処理が決定されるのに対して、「原則主義」は大原則のみを会計基準で示すのみで、実際の会計処理の適用にあたっては会社(経営者)の判断が要求される考え方ということになります。
極端な例で言えば、資産の減損について、

規則主義:時価が50%超下落したら、例外なく即減損
原則主義:時価が著しく下落して、かつ、回復可能性がなければ減損

という感じです。
国際会計基準が原則主義だと言われる所以は、基準を設定するにあたり欧州を中心に各国の関係者が集まって議論を重ねた結果において不可欠だからと言われています。最終的に、色々な国で統一的に適用・運用されるためには、各国のお国柄や取引慣習や考え方にある程度馴染む必要があります。規則主義的な考え方を採用するとその考え方が馴染まない国もでてくるので、原則主義的な考え方の方が各国において適用・運用がされやすいということが根底にあるのでしょう。
とは言え、実際の基準を見てみると、そこまで「原則主義」という感じではなく、相応にきめ細かい規定になっている印象はうけますが・・・

B/S重視については、日本基準がP/L重視であると言われているため、その点では日本基準とちょっと趣が異なると思われます。実際に、国際会計基準と日本基準の具体的な差異については、この点に集約される部分が多いと思います。
例えば、有価証券や固定資産の減損後の戻し入れについては、日本基準では認められませんが、国際会計基準は認めています。これは、国際会計基準がB/S重視の考え方であるので、毎期の資産計上額(評価額)をより公正に実施する方向であることに起因すると思われます。従って、減損計上のタイミングも日本基準より比較的早く計上することを要求しています。これに対して、日本基準ではP/L重視の考え方であるので、減損金額のP/L計上をより慎重にし、かつ、その後の戻し入れを禁止することで、期間損益に与えるブレを最小限に抑える方向にあると思われます。

昨今の日本基準における国際会計基準へのコンバージョン作業の甲斐あって(!?)、両者の間では大きな差異はなく、往々にして類似しているものと考えられます。但し、上記の減損の考え方の違いのような細かい差異は少なくないものと考えられます。
次回以降は、両者の差異に留意しながら、より具体的な国際会計基準の内容について触れていきたいと思います。

ということで今回はこんな感じで・・・

【参考】
現状でのIAS及びIFRSの一覧(2008年1月末現在)

IAS

号数 日本語名 タイトル
1 財務諸表の表示 Presentation of Financial Statements
2 棚卸資産 Inventories
7 キャッシュ・フロー計算書 Cash Flow Statements
8 会計方針、
会計上の見積もりの変更および誤謬
Accounting Policies, Changes in
Accounting Estimates and Errors
10 後発事象 Events After the Balances Sheet Date
11 工事契約 Construction Contracts
12 法人所得税 Income Taxes
16 有形固定資産 Property, Plant and Equipment
17 リース Leases
18 収益 Revenue
19 従業員給付 Employee Benefits
20 国庫補助金の会計処理と政府援助の開示 Accounting for Government Grants and
Disclosure of Government Assistance
21 外国為替レート変動の影響 The Effects of Changes in Foreign
Exchange Rates
23 借入費用 Borrowing Costs
24 関連当事者についての開示 Related Party Disclosures
26 退職給付制度の会計と報告 Accounting and Reporting by
Retirement Benefit Plans
27 連結財務諸表と個別財務諸表 Consolidated and Separate Financial
Statements
28 関連会社に対する投資 Investments in Associates
29 超インフレ経済下における財務報告 Financial Reporting in Hyperinflationary
Economies
31 ジョイント・ベンチャーに対する持分 Interests in Joint Ventures
32 金融商品:表示 Financial Instruments: Presentation
33 1株当たり利益 Earnings per Share
34 中間財務報告 Interim Financial Reporting
36 資産の減額 Impairment of Assets
37 引当金、偶発負債および偶発資産 Provisions, Contingent Liabilities and
Contingent Assets
38 無形資産 Intangible Assets
39 金融商品:認識と測定 Financial Instruments: Recognition and
Measurement
40 投資不動産 Investment Property
41 農業 Agriculture

IFRS

号数 日本語名 タイトル
1 国際財務報告基準の初度摘要 First-time Adoption of International
Financial Reporting Standards
2 株式報酬 Share-based Payment
3 企業結合 Business Combinations
4 保険契約 Insurance Contracts
5 売却目的で保有する非流動資産と廃止事業 Non-current Assets Held for Sale and
Discontinued Operations
6 鉱物資源の探査と評価 Exploration for and evaluation of
Mineral Resources
7 金融商品:開示 Financial Instruments: Disclosures
8 事業セグメント Operating Segments
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