A&A blog

武道とスポーツ

08.22

「武道とスポーツは何が違うのか?」と聞かれて明確な答えを出せる人は少ないと思います。私もその中の一人なので、これを機会に調べてみました。
日本で武道を統括する団体の一つである日本武道協議会では、日本古来の尚武の精神、日本の歴史・文化、世界各国への普及などを踏まえ、武道の新たな発展を期し、基本的な指針を掲げた「武道憲章」を定めています。ヒントはこの中にありました。
 

第一条: 武道は、武技による心身の鍛錬を通じて人格を磨き、識見を高め、有為の人物を育成することを目的とする。
第二条: 稽古に当たっては、終始礼法を守り、基本を重視し、技術のみに偏せず、心技体を一体として修練する。
第三条: 試合や形の演武に臨んでは、平素錬磨の武道精神を発揮し、最善を尽くすとともに、勝っておごらず負けて悔まず、常に節度ある態度を堅持する。
第四条: 道場は、心身鍛錬の場であり、規律と礼儀作法を守り、静粛・清潔・安全を旨とし、厳粛な環境の維持に努める。
第五条: 指導に当たっては、常に人格の陶冶に努め、術理の研究・心身の鍛錬に励み、勝敗や技術の巧拙にとらわれることなく、師表にふさわしい態度を堅持する。
第六条: 普及に当たっては、伝統的な武道の特性を生かし、国際的視野に立って指導の充実と研究の促進を図るとともに武道の発展に努める。

 
まず、勝負よりも規律と礼儀作法を守り、常に己の成長と相手を尊重することが重視されていることです。スポーツのように、勝って喜ぶ行為や負けて悔しがる行為をするなというところに武道の美学があると思いました。
また、指導者にも指導者としてふさわしい態度を堅持することが求められていることです。まれにみる監督やコーチの反面教師や勝つために必要な敬遠策などの強要はダメだということです。
さらに、国際的視野に立って武道の普及や発展に努めるということです。強さを誇示するのではなく、日本の伝統文化を継承し、尊重した行為が競技者と指導者に求められています。
きれいごとのように感じる方もいるかもしれませんが、きれいごとだと思わず、真摯に武道に取り組んだ人は素晴らしい人格者になると思います。オリンピックなどの国際大会でも様々な武道が競技として取り扱われています。競技者と指導者だけでなく、応援する人も武道の精神を理解することで、違った楽しみ方が見つかるかもしれません。

松本 浩幸(パートナー)
<プロフィール>
1982年8月17日生まれ
2009年1月 監査法人A&Aパートナーズ入所
<モットー>
興味がないことは全く気にしない

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