A&A blog

会計・監査用語辞典完成!!

06.08

 4月下旬、当監査法人で最初の出版物が発売されました。このブログをお読みの方は、すでに手許にお持ちのことと思いますが、もし、何かの手違いでまだ見たことがない方、お持ちでない方がいらっしゃいましたら、すぐに最寄りの大手書店まで走ってください。黄色い本です。まだ書店には並んでいると思いますが、売切れの際はご容赦ください。あ、ネットでも買えます。このHPからリンクしていますので、探してください。税込 3,150円です。

 当初、ブログのテーマは違うもの(温泉たまごの作り方とか)にしようと考えていましたが、今回の出版PJの担当者としては、このテーマは避けて通れないと思い直し、書いてみることにしました。

 作成手順に沿って作業を振り返ってみようと思います。
(1)用語の抽出
 これが意外と大変で最初は分野ごと(ex.税金関係、固定資産関係、監査関係・・・)にパートナー11名が分担して抽出しましたが、抽出がダブったり、モレたり。「用語としてふさわしいか?」も、作成している間ずいぶん考え、議論しました。最終的に削除した用語は、例えば、「同一環境下で行われた同一の性質の取引等」(長すぎて用語かどうか不明)、「アプリケーションシステム」(会計用語か?)等々。追加したのは「サブプライムローン」等。結局最後まで用語の追加・削除を繰り返しました。

(2)執筆要領の作成
 編集方針は「例えば、経理部に新たに配属された新入社員が文字通り「辞典」として使用することなどを想定し、会計初心者にも分かりやすい、可能な限り平易な文章を心掛ける」ということです。でも、平易な文章って難しいんですよね。

(3)執筆担当チームの編成
 今回の用語辞典の作成は全員参加のプロジェクト。監査スタッフを、マネージャをリーダーとして8チーム(1チーム、執筆者3名+お目付け役1名)に分けました。

(4)見本の作成
 編集方針に沿って、平易な文章を目指してとりあえず見本として2語の文章を作ってみました。会計用語を会計に詳しくない方を対象として書くのはやっぱり難しい。気がつくと会計基準と同じような文章。今回、どこまでやさしくかけたでしょうか。

(5)各チームで執筆、進捗管理
 昨年の10月23日にリーダーを集めて説明会を開催し、執筆スタート。原稿締め切りは12月12日でしたが、当然に全員が締切りを守れるわけもなく、子供のころ夏休みの宿題を計画通りやれる人とやれない人がいるように・・・。
 あえてフォローすると、通常の監査業務の合間に原稿を書いているので担当しているクライアントによって繁忙期が異なっており、11月~12月にかけて忙しい人はどうしても原稿が遅くなってしまいますよね。
 見本として二つの用語を書くだけで苦しんでいた私から、1チームで200語~300語、一人70語から100語の分担をしている執筆担当者へは、多少締切りをすぎても文句は言えません。(たぶん、言ってなかったと思います。たぶん・・。)

(6)原稿のレビュー
 各チームからあがってきた原稿は順次パートナーがレビュー。レビュー締切りは12月27日。ここにも宿題を計画通りできなくてお友達に手伝ってもらう人が・・・。
 パートナー10名で一人200語から300語を担当。内容を確認しながらレビューするのも大変です。多少締切りをすぎても文句は言えません。(たぶん、言ってなかったと思います。たぶん・・。)

(7)原稿最終チェック
 2月24日、Wordで作成していた原稿がゲラという形に。その後、出版社の方と3回ほどチェック→修正→チェックを繰り返し完成です。4月3日に最終原稿を入稿。
 結構地道な作業で、約2,000後の用語のひとつひとつを読みながら、漢字の使い方や送りがなを統一したり、てにをは、を直したりします。もちろん内容のチェックと合わせて。「例えば」は「たとえば」、「又は」は「または」、「我が国」は「わが国」・・・チェック作業をしている間は新聞を見ても駅のポスターを見ても、「例えば」は「ひらがなだろ!」と考える始末。
 当初、原稿チェックを私ひとりでやろうかと簡単に思っていましたが、よく考えると、1語10分として2,000語で20,000分(=333時間)。一日は24時間ですが、作業できるのはできて一日10時間、一応、通常業務もあるので、平日は2~3時間。結局、数人のパートナーに分担していただきました。宿題はやっぱり一人ではできず・・・。

(8)会計用語辞典完成
 最終的に題名は「プロフェッショナル用語辞典 会計・監査」に。英文が大変だったとか、締切り前の日曜日に当法人が入っているビルが全館停電だったとか、紙面の関係で書ききれないことが他にもたくさんありましたが、なんとか予定通り4月下旬完成です。

 ここまでで、出版の苦労が伝わったか分かりませんが、とにかく大変だったのは約2,000語というボリュームにつきます。10語でも文章で説明するのはそれなりに苦労するのに、それが10倍、100倍になると・・。でも、忙しい人の執筆作業を他の人が手伝ったり、原稿レビューを分担したりと当法人の団結力、協調性、助け合いの気持ちが随所にでた、全員が力を合わせて完成させた辞典となりました。
 この辞典が、順調に売れて第2版が出版できれば、とても幸せです。すでにこの辞典のお持ちのあなたも、もう一冊ご購入いかがでしょうか?

(プロフィール)

村田征仁(むらたまさひと)

長崎県出身

2024年4月
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