最近鉄道系ユーチューバーを観るのが寝る前の楽しみである。要するに鉄道ヲタクと呼ばれる人たちのチャンネルなのだが、鉄道が主体とはいえナレーションはその街の文化や路線、駅が出来た(もしくは廃線、廃駅した)経緯なんかも説明してくれて、鉄道に限らず旅が好きな自分が聞いていても飽きない。
他にも居るとは思うが鉄道系ユーチューバーで有名なのは”スーツさん”、”がみさん”、”西園寺さん”という3大鉄ちゃん?で、彼らのチャンネルを観ているのは面白い。最近では単にレアな鉄道や駅を紹介するだけではなく、乗り継ぎを駆使して在来線と新幹線の移動時間を競ったり、飛行機なんかも駆使したりして新幹線と移動対決したり、果ては地方電鉄とコラボして特別電車を走らせたりと良い意味でやりたい放題である。でも、何十万も登録ユーザが居るユーチューバーが電車を紹介してくれるのであれば、地方ローカル線にもスポットライトが当たり、観光で行ってみようと思う人も居るだろうから、電鉄会社にとってマニアックな愛情も有難い話なのだと思う。
彼らを観ていて思い出すのが、以前私が北海道から沖縄まで全国の拠点を巡るとある案件を担当していた時の事だ。まだテレワーク時代というわけでも無かったから一定スパンで自分のオフィスにも戻ったりもしていたが、下手すれば3ヶ月位オフィスには戻らない事も有ったから、如何に効率的に、そしてその長い道のりをポジティブに捉えられるような時間にするかは重要な事であった。
結構印象に残っている移動は幾つか有るのだが、結構鉄ちゃん並みの移動をしたと思うのが東北~北海道出張の時で、初日は仙台で、翌日は盛岡で仕事をこなした後、18時少し前の新函館北斗行き北海道新幹線に乗って青函トンネルを超えて陸路北海道へ上陸、20時台の在来特急スーパー北斗に乗って日付の変わる少し前、23時40分台に札幌に到着、盛岡からの移動時間は6時間弱に及んだが翌日札幌での仕事をきちんとこなせた。北海道に比較的近い東北の岩手盛岡からでも17時台に出ないと札幌には間に合わない位北海道は広大なのだ(現在ではダイヤ改正で更に1時間位前に出ないと間に合わないようだ。盛岡から札幌を陸路目指す場合の話だが)。因みに帰りは新千歳空港から普通に飛行機で帰京した。当時開通してさほど経過していなかった北海道新幹線を活用して計画を立て効率的に回った出張だった。変わる景色、下がる温度を体感しながら移動した思い出深い出張の一つだ。
一番楽しかった(仕事を楽しめるという意味なので誤解無きように)と思い出すのは正月休み明け初日から松江、広島、松山に連続で行かなければならなかった時だ。東京在住の自分が普通に考えれば前日飛行機で向かって松江のホテルで待機すれば良い事だが、せっかくの正月休み最後を仕事のために移動するのも長い休み明けには憂鬱なので、良い策は無いかと考えたのだが妙案を思いついたのだ(松江でピンと来る貴方はお好きな方です)。そう、松江には東京発出雲行の寝台特急「サンライズ出雲」が有るのだ。これで向かえば時間も心配なく、前日からの移動は旅情と捉えて楽しめば良いし、更には寝台だから個室でベッド付きだから睡眠も取ることが出来る(狭いがちょっとしたホテル並みに過ごしやすい)。ちょうど東京を前日の22時前に出発し、松江には9時過ぎに到着する。ほぼ前泊で出張に来ているのと同じなのだ。但し予約はみどりの窓口で行わなければならず、直ぐに埋まりがちなので事前の計画が必要だ。
寝台特急サンライズの外観
個室寝台「シングル」の様子。コンパクトながらとても落ち着くし寝ながら夜景も愉しめる
この時松江~広島は高速バスで移動、これは中国地方の電車事情から結構普通なのだが、広島~松山間は高速船(スーパージェット)で移動したのだ。これも単に乗りたいだけかよと思われがちだが、広島から松山に行くには電車よりもこちらの方が効率は良いのだ。実質1時間と少しで広島と松山を結んでくれる。
結局この時は寝台電車~高速バス~高速船と何一つ普通の新幹線や飛行機の出番なく、かつ効率的に回れたのが思い出深い。
振り返ると結構な交通機関マニアみたいだが、実は一番好きな移動手段は自分で運転する車である。
D.F
略歴:ネットワークエンジニアとしてITの世界に足を突っ込み、気が付けば30代前半で監査法人へ。今となっては監査法人のキャリアが最も長い。
趣味:車、旅(乗り物メイン)、ギター