A&A blog

トランプショック

11.21

11月8日にアメリカ大統領選挙の投開票があり、日本時間では9日の午後に結果が出ました。事前の予想を裏切って、トランプ氏が当選しました。この場で政治的な話をするつもりは一切ありませんが、大衆というものは常に現状に不満を持ち、その変化を求めるものなのだと、改めて思います。
今年の6月には、英国のEU離脱の国民投票で、大方の予想を裏切り、離脱が決まりました。これも、EUに加盟していることによる色々な不平不満があり、変化を求める声が勝ってしまった訳ですね。
もっと言えば、日本においても2009年7月の総選挙で民主党が勝ち、政権交代を成し遂げました。これも、長く続いた自民党政権への閉塞感に対する変化を求める声が起こした事件だと思います。
不満のエネルギーが時々爆発するのですね。
「平均貯蓄額」
みなさん、日本の人々の平均貯蓄額を知っていますか?下記の表は今年の11月に公表されたデータです。約8,000世帯を対象にした、そこそこ信頼できるデータだと思います。平均貯蓄額は1,078万円ですが、みんながそんなに持っているという実感はありませんよね。これは、一部の富裕層が富を所有していることによる、平均値のマジックです。中央値は、貯蓄額の少ない人から多い人に順番に並べて、ちょうど真ん中になる人の金額で、400万円です。これならそんなもんかと、多少のガテンは行きますね。
ところが、貯蓄はゼロだという世帯が3割くらいいるそうです。それを除いて、金融資産を持っている人だけを対象にすると、中央値でも950万円となります。
 

平均貯蓄額
二人以上世帯 単身世帯
平均値 1,078万円 822万円
中央値 400万円 20万円

 

金融資産を保有している世帯だけの貯蓄額
二人以上世帯 単身世帯
平均値 1,615万円 1,590万円
中央値 950万円 600万円

出典:金融広報中央委員会【「家計の金融行動に関する世論調査」2016年】
 
 さて、この調査結果を見てどう感じますか?
 富の偏在を感じませんか?日本では、昔、「1億総中流社会」という言葉がありました。高度成長期、みんなそこそこ所得があって、3C(車、カラーテレビ、クーラー)を買い求め、みんなに充実感があった時代。ところが、時が過ぎて成熟社会というものは、富の偏在が進み、国際非政府組織(NGO)オックスファムの調査(2016年1月18日最終報告書)によると、世界の62人の富豪の持つ富は、貧しい方の36億人(世界の人口の半分)の富と同じだそうです。
 日本でも富の偏在が進み、「大方の人々が平均以下」となる社会になっています。
 これでは、「不満のエネルギー」がじわじわと醸成され、日本やイギリス、そしてアメリカでも爆発を起こす、ということが根底にある気がしてなりません。

齊藤浩司
<プロフィール>
1977年 早稲田大学政治経済学部 卒業
1980年 監査法人中央会計事務所(現みすず監査法人) 入所
1997年 中央監査法人代表社員就任
2007年 監査法人A&Aパートナーズへ移籍
<趣味>
ゴルフ
<一言>
A&Aは、同じ志を持ったプロフェッショナルが集まって出来た、気持ちの良い仲間たちです。市場経済の円滑な発展の一助になるべく頑張っております。
実は、私は来年、定年でA&Aを退職します。やっと自由な時間を満喫するわくわく感も感じています。

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