監査法人A&Aパートナーズ。
最近結婚ブームである。
男として半人前の同僚たちが置いていかれまいとこぞって結婚に走っている。
そういう私は35歳独身。
しかしながら結婚には興味がない。
例えば、
天ぷらが食べたいぞ、と考えながら家に帰ったとき、玄関の前でカレーの匂いが漂ってきたらどうだろうか。
私なら迷わずUターン。
好きな時間に寝て、好きな時間に起き、好きなゴルフに好きな時に行き、好きなものだけ食べ、また好きな時間に寝る。
若干野菜不足には陥るが、この生活を超える生活がどこにあるというのだ。
こんな私に向かって同僚たちは声を揃えて言う。
「自分の子どもの顔を見たら結婚してよかったと思えるよ。そもそも自分のDNAを残すのが生物としての使命であり、男としての誇りじゃない?」
甘い。
やっぱり半人前だ。
人間の細胞の中にはミトコンドリアが住んでいる。
そのミトコンドリアは人間のDNAとは異なる独自のDNAを持っているそうだ。
そしてミトコンドリアが自分のDNAを残そうとすると何を考えるか。
そう、宿主たる人間に子孫を残させようとするのである。
つまり、自らの意思で結婚を決めたと思っている同僚たちは、残念ながらミトコンドリアに操られているだけなのである。
飲みの席などでこの話をすると、ミトコンドリアの奴隷たちは決まって私を憐れみのこもった目で見ていることに気付く。
どなたか私と結婚してくれませんか?
木村 勝治
ひとこと:世界はすべて二色で塗り分けられます。「紫」と「紫以外」です。
経歴
金沢大学経済学部卒業後、自動車ディーラーに入社し自動車の営業マンに。
営業に出ると言っては入り浸っていた書店で「だれでも公認会計士になれる本」と出会ったことがきっかけで、中央青山監査法人に入所。上場会社と公開準備会社の主査を経験後、2007年8月監査法人A&Aパートナーズに移籍。
趣味
ゴルフ、靴磨き こだわり
世の中の物はすべて、紫のものかそうでないものに分けられ、紫の方を選択する。
メッセージ
「仕事は楽しく」を心がけて、明るい現場づくりに努めたいと常々思っています。