A&A blog

「こちょ、もっとちょーだぃよぅー、まま」

08.11

この秋で2歳になる娘がいる。 地声(特に泣き声)が大きい、という事実に気が付いたのは、約1年前。1歳で入った保育園の、お友達の泣き声が総じて小さいことに衝撃を受けた。  入園当初、朝、保育園へ連れて行くと、私と離れるのが嫌で泣き続けた。1か月半。しかも大声。 初めは「2週間もすれば慣れて、泣かなくなるものよー」と言っていた保育士さん達。そのうち「泣くのは、よく状況を理解しているからよー」と、言葉を選ぶように。  最近は「お話が上手」になってきた。相変わらず大声。「他のお友達の、良い刺激になるわー」と、保育士さん。 
 私の言っていることは、小さい頭ながら、理解してきた様子。 ただ、どのような言葉を発して返事をすればいいのか良く分からず、試行錯誤中。  一番初めに発することが出来た言葉は「まま」。まぁ、妥当な線。そのうち、「もっと」や「ちょーだい」といった、欲求を満たすための言葉を発するようになった。 そんな頃、娘「こちょ、もっとちょーだぃよぅー、まま」。私「え?何が欲しいの?」娘「こちょ、こちょ」私「こちょ?」娘「こちょ!!」私「こちょ、ってなーに?」娘の指がさしていたのは、チョコレート。私「チョコ?」娘「うん、こちょ!!」と満面の笑顔。 
逆さ言葉。大人でも「雰囲気」を「ふんいき」ではなく、「ふいんき」と言うのに似ている。英語の「simulation」を日本語で「シミュレーション」ではなく、「シュミレーション」と言ってしまうのにも似ている。 全くの余談だが、私は小学生の頃、一時「スチュワーデス」になりたかった。しかし、「スチュワーデス」と言えなかったし、片仮名でも書けなかった。仕方がないので、“将来なりたい職業”欄に「ピアノの先生」と書いた。(結局、どちらにもなれなかった。)
  正確に言葉を使うのは、本当に難しい。訓練、というほどのものではなくとも、たくさん使って慣れることが必要。使い慣れた言葉であっても、間違って覚えていたと、後で気が付くこともある。 
仕事の場でも、上司やクライアントの方に対して、丁寧に、正確に話をするのは難しい。今でも結構気を使う。 でも、もっと大切なことは、笑顔だ。「こちょ!」と堂々と言い放つ、娘の可愛い笑顔を見て、そう感じた。 
正確な言葉遣いだって、笑顔がなければ台無し。丁寧に喋ることだけを気にしていたら、慇懃無礼と受け取られてしまう。笑顔を添えた素直な言葉の方が、キラキラしている。相手の心に伝わる。良い関係を築ける。communication」は「コミュニケーション」だが、「コミニュケーション」と言い間違えたって大丈夫。 子供を育てることによって親も育つ、とは良く言ったもの。色々なことに気付かされる。娘の笑顔に感謝。  そんな娘も今では、保育園大好きっ娘。 朝のお別れ時は、笑顔で「ばいばい」。夕方お迎え時は、もっと遊びたくて、大笑いしながら「やーよー」と逃げ回る。夕飯前に「あぃしゅー(アイス)、ちょーだぃよぅー!まま!」。おねだり笑顔も得意技。 「大丈夫なの?」と聞くと、「ぱぃぽーぷー(大丈夫)!!」まぁ、逞しい!

伊藤宏美

中央大学商学部会計学科卒業。
中央青山監査法人を経て、監査法人A&Aパートナーズへ。

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