A&A blog

孤独の二郎

02.25

とある休日の昼下がり、ふと無性にラーメン二郎が食べたくなる。自分の頭の中の二郎マップによると最寄りは神田店だが、神田店はフーズ系(二郎は各店舗独立して営業を行っているが、フーズ系では数店舗を統括して1つの運営会社で経営している。現在では「ラーメン二郎」の看板から二郎が取られ、「ラーメン」となっている。)だ。できれば直系がいい・・、そうだ目黒にしよう。二郎といえば三田本店を第一に挙げる人が多いが、私は目黒店が好きだ。量は二郎の中では多くないものの、味に安定感があると思う。
目黒店は目黒駅から徒歩15分くらいのところにある。店に到着すると既に15人程の行列が出来ている。この程度であれば想定の範囲内だ。以前神保町店に行ったときは、1時間半待たされた。
並んでいる途中、食券を買う前に店主から麺の量を聞かれる。私は、躊躇なく「大」と答える。二郎は回転が速い。今テーブルに座った客が食べている間に次の客の麺を既に茹で始める。以前、麺の量を「小」と答えたのにもかかわらず、「大」の食券を購入した輩がいて、店主からものすごく怒られていた。
次は食券の購入だ。麺の量は「大」で確定しているため、あとはチャーシューの量だ。チャーシューの量には「普通」「豚」「W」とあり、右に行くにつれてチャーシューが多くなっていく。若かりし頃は勢いで「W」と頼んでいたが、今はもう33歳。食べた肉がそのまま体脂肪に変わる年頃だ・・・。しょうがない、「豚」で妥協するか。
そうこうしているうちに席が空いたため、セルフサービスの水を確保して着席する。間もなく店主よりトッピングを聞かれる。二郎のトッピングには、野菜:もやしとキャベツをゆでたもの。味はついていない、脂:文字通り脂、にんにく:にんにくをみじん切りにしたもの、からめ:二郎特製のしょうゆ、がある。トッピング全部と言いたいところだが、あえて脂をはずす。
「大豚トッピング野菜、にんにく、からめ」が私のテーブルの前に置かれる。まずは野菜の壁を突破しなければならない。野菜をトッピングするとチャーシューと麺の上に山盛りで野菜がのってくる。野菜をある程度食べないと麺にありつけないが、野菜には味が付いていない・・・。この問題を解決するのがからめだ。からめをトッピングすることで野菜にしょうゆ味がつくため食べやすくなる。からめのトッピングを忘れた人も焦る必要はない、テーブルにしょうゆが置いてあるので自分のお好みで追加できるのだ。
野菜の壁を突破し、とうとうチャーシューと麺がその姿を現す。まずはチャーシューを頂く。二郎のチャーシューは単体で見ると味が濃い目で脂っこい気がするがこれが二郎というオーケストラの中では絶妙なハーモニーを奏でる。
お次にとうとう主役の麺を頂く。相変わらずの圧倒的な極太だ。ラーメンは少しでも時間がたつと伸びてしまい味が落ちることがあるが、二郎にその心配はない。味の素とにんにくをベースにしたスープが良くからみ、強烈な味わいが私の体中に広がっていく。まさしく至福の時間・・。あっという間にどんぶりから麺の姿はなくなり、スープだけが残った。若かりし頃は「大W全部トッピング」でスープを飲みほしてこそ本物のジロリアンといったものだが、血圧の関係でそれはもうできない。
どんぶりをカウンターに戻し、店を後にした。ジロリアンの間で「二郎はラーメンではない。二郎というジャンルなのだ。」という意見をよく聞くが、私もその意見には賛成だ。それほどの存在感を二郎は持っている。「黒ウーロン茶」と飲む「ブレスケア」を片手に家路に着いた。

I.S
埼玉県出身

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