A&A blog

ワインの季節

12.14

ワインに季節があるかどうかは、わからない。
「葡萄酒醸す」は秋の季語であるが、これはワインを造ることであり、飲む方ではない。
感覚的には、夏場はよく冷えて口あたりのスッキリした白ワイン、冬は暖かいところで料理に合わせて飲む赤ワインがおいしい。以前この季節に、秩父宮ラグビー場でスポーツ観戦しながら飲んだホットワインも美味しかった。
11月第3木曜日にボジョレー・ヌーボーが解禁された。
今や一大ビッグイベントとなったハロウィンと、イベントの王様であるクリスマスの狭間にある企画のためか、ボジョレー解禁は以前ほど目立たなくなった感じがある。飲食店でボジョレーを勧められても、スーパーやコンビニの陳列棚に並んでいるのを見ても、反応しなくなったのは、ワインを日常的に飲むようになったからかもしれない。
お酒の売れ行きではビールは苦戦し、焼酎は一時のブームが去ったが、ワインは好調のようである。
バブルの頃は、たいして味もわからずに、フランスの格付けシャトーのワインを有り難がって飲んでいた。「土の香り」、「猫のおしっこ」といったワインの香りを表現する言葉があるが、わかったような、わからないような・・・
10年位前までは、南半球で造られたワインは船便での物流に難があり、おいしく飲めないと言われていた。最近では、ニューワールドで造られた比較的安価なワインを、あたり前のようにおいしく飲んでいる。ありがたい限りです。
安くておいしいワインを飲めるようになった半面、フランスの高級ワインは、高くて手が届かなくなった。10年程前の為替相場は1ユーロ150円程度だったと思う。その後、しばらくは円高が続いていたにもかかわらず、格付けシャトーのワイン価格は10年前の2倍以上になったように感じる。中国が高級ワインを投資対象として買い占めてしまったせいか、まったく手が出ない。
とは言っても、そこそこの美味しさでも、安いワインが簡単に手に入るようになった。
スーパーやコンビニでPBワインは5~6百円程度で買える。寝酒にビールだと、1缶では終わらない。赤ワインを2日かけて1本を開ければ、ワインの方が経済的である。
ワインが売れている理由がわかる気がする。

佐藤 禎

<プロフィール>
昭和40年10月22日生
早稲田大学商学部卒業

<モットー・信条>
Rome was not built in a day.(少し前、塩野七生さんの本にはまっていました。)

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