先般ゴルフ場で、海軍兵学校出身の方と、ご一緒する機会がありました。84歳とのことでしたが、端正なお顔、長身痩躯、背筋も伸びており、とてもその年齢には見えませんでした。穏やかな雰囲気、丁寧な言葉づかい、全身に品格を漂わせていました。お話しをしているうちに、海軍兵学校の出身であることがわかりました。「坂の上の雲」の秋山真之が海軍兵学校出身であることで、身近に感じましたが、「海軍兵学校五省(以下「五省」と略します)」の方が、自分にとってより身近に感じるものでした。
かなり前のことですが、あるクライアントの社長室の机の上に、「五省」が置かれていました。それが「五省」との出会いでした。社長は、それを手に取って、次のように説明してくれました。
「兵学校の生徒たちは、毎晩就寝前に、これを音読することが日課だったそうです。日々反省し、次なる向上を目指したそうです。自分も一人の人間に過ぎませんので、こういうものが必要なのですよ。」と、その社長は仰っていました。
ご参考までに、「五省」とは、次の通りです。
1. 至誠に悖るなかりしか
2. 言行に恥ずるなかりしか
3. 気力に欠くるなかりしか
4. 努力に憾みなかりしか
5. 不精に亘るなかりしか
五省のことを、お聞きすると、
「えっ、五省をご存知ですか!!」
「五省」が話題になったことで、とても嬉しそうでした。
今でも折に触れて、唱えているそうです。
昼の休憩時間に、84歳の元兵学校生は、なんと、煮込みハンバーグのLサイズを、完食していました。Mサイズでも相当な大きさなのですが。
その方とお会いしたことは、とても感慨深いものでした。若いころの、精神面、肉体面での習練の成果が、未だに輝き続けているといった感じでした。もちろん、その後も、今日に至るまで、日々「五省」を繰り返し、人生を歩まれてきたことと思います。「ああ、また酒を飲み過ぎてしまった・・・」という「一省」で就寝する己とは、ずいぶん違うものと反省させられました。
一言:多くのことに関心を持つ
モットー・信条:心に占めること通りに歩む人生
進藤 直滋
私の会計士人生は、いつの間にか40年を越えています。
最初の10年に比べ、後半の30年は、大きな変革の中を通ってきた感じです。
これからの変化は、間違いなくもっと大きくなるでしょう。