昨年の7月に新しい組織となり、ここ日本橋一丁目に移転して1周年となりました。
わずか35名での新スタートではありましたが、監査法人としての体制を構築するのはそれなりにたいへんなものでした。これも関係するみなさんのご協力があってのことだと思います。本当にありがとうございました。
何よりもうれしいのはその後に11名が入社したことと、期間限定だった派遣社員の方を除いてひとりも退職者がなかったことであります。鶏と卵の関係になるのでしょうがこれも明るいと言われる職場環境の一因と考えています。
これから私たちの業界では、内部統制監査・四半期レビューという新しい制度への対応が必要となり、また、2~3年後には我が国でも国際会計基準が全面導入されることから、ますます気忙しい日々が続いていくと思います。そんな中でも皆様の“役に立つ”ことを常に心掛け、少しずつですが監査法人A&Aパートナーズが発展するよう全員一丸となって行きたいと思いますので、みなさん今後ともよろしくお願い申し上げます。
さて、このA&A Blogもスタートから約1年となりほぼひと回りしたことと思います。普段の仕事ぶりからは想像もできないような話題について語っている人もいれば、オタクの領域ではないかと思われるほど詳しく書いている人もいます。とにかく皆ブログに慣れているのでしょうかけっこううまく書いていることに感心しました。再び小職の番となりましたので少し書かせていただきます。今回は映画の話を少々。先日久しぶりに映画を見に行きました。以前は話題作を中心にビデオを借りたり映画館にもよく足を運んでいましたが、最近は少し足が遠のいています。しかも映画館で見るのはドンパチもの好きであるため迫力のある洋画ばかりでした。ところが最近はストーリーがいいのでしょうか、日本映画の方が面白いのではないかと思います。実は懐しい“マッハGoGoGo”に思いを馳せそのハリウッド版を見たいと思っていたところ、テレビのPR映像の雰囲気が微妙なので少し評判を確認してからと思いそれは止めました。せっかく映画館で見ようと思っていたので他に何かないかと調べ結局「クライマーズ・ハイ」という新作にしました。この映画は昭和60年8月の日航機事故の記事をめぐる地元の地方新聞社を舞台とした「走り・叫び・書いた新聞記者たちの激動の1週間」(公式サイトより)を描いた横山秀夫氏の原作を映画化したものです。NHKでもドラマ化されたと思います。もともと横山氏の小説は大好きで特に県警1課内の争いや珍しい警務畑の話など他の推理物にはない構図は読みごたえあります。この原作も読んだのは何年か前のことですが、そのストーリーについてはよく覚えていました。というのも日航機事故の日はちょうど群馬の実家より車で碓氷峠を抜け上田・松本を通り塩尻インターから中央高速で京都へ遊びに行った日で、時間こそ違いますが事故現場の何キロか近くを通ったということでその夜のニュースがとても強烈だったことと原作者が当時「上毛新聞」(”じょうもう”といいます)の記者をしていたということも身近に感じていたからかもしれません。映画の中で主人公が新聞記者になろうと思ったのは子供の頃に見た映画の影響だったとしていますが、恥ずかしながら自分も小さい頃に新聞記者になりたいと思っていました。ただその理由はマンガ「タイガーマスク」の正体である伊達直人が新聞記者だったというくだらないものでした。この映画にあるように新聞社というのは凄まじいところで、大きな事件や事故などがあったら即座に情報を入手・整理して記事にするということを生業にしている人たちの集まりなわけですから、この文章でお分かりの通り私のような文才のない人間が新聞記者になろうとは今思えば大それたことを考えていたものです。正直のところ文章よりも数字の方が好きです。とはいうものの一方では物理、化学や高等数学はノー感覚ですから、自分が数字を扱うけれど算数レベルはさほど高くはないという今の仕事を選んだのも考えてみれば自然の成り行きだったのかも、と一人で納得しています。
ちなみにクライマーズ・ハイとは、登山で興奮状態が極限に達し神経が麻痺して恐怖が薄れる精神状態を指すそうで、主人公らが登山を趣味にしていることから事故にかかわった記者たちの熱い1週間になぞらえて付けた作品名、とのことです。谷川岳のシーンも圧巻ですし新聞社での編集に関する一連のシーンは迫力があります。役者がそれぞれいい味を出して社内及び編集局内の部署間・上司部下間における軋轢、記事にするか否かの葛藤が見ものです。そしてあの事故ですから自衛隊員の作業に関する記事や事故直前の被害者の手記にはウルウル込み上げるものがありました。
木間久幸
パートナー