食欲の秋である。生まれついての甘党である私にとっては夢のような季節である。トウモロコシで開幕し、梨、葡萄、芋、栗などなど、この時期に食べなければ気が済まないものは枚挙にいとまがない。しかし、季節は夢のようかもしれないが、身体は加齢という現実に耐えられない。51歳となった今、代謝が落ちたこの身体は、暴飲暴食に耐えられなくなってきている。何をどれだけ食べようとも、何の努力もしなくとも、170cm、54kgを維持していた時代ははるか昔である。当然食べれば太るし、健康診断では、糖代謝、コレステロール、血圧、どういうわけか毎年交互に悪くなる。糖代謝に効くトクホのお茶、コレステロールに効くトクホのお茶、血圧に効くトクホのお茶、何で一本にまとめてくれないんだよ!三本飲まなきゃならんだろうが!かといって、しんどい運動はしたくない、努力しないためなら何でもする!
そんな自分にぴったりな健康法があった。といっても、知る人ぞ知るというものではない。ファスティング、つまり断食である。やってみたのは2年前、通っている怪しい整体師の勧めによる。これを読んで、「ああ、ダイエットね、でもリバウンドあるんじゃないの?」と思われたかもしれない。違うのだ。ファスティングはダイエットではなく、健康法である。
聞いたところによると、こういうことらしい。人間の腸の働きというのは、消化と代謝が半々であると。ところが、この飽食の時代、常に食べ続けている現代人は、腸の機能を100%消化の方に使ってしまっている。なので、食べないことでしばらくの間、無理やり腸の機能を100%代謝の方に振り向ける。こうすることにより、代謝の機能を回復させる、老廃物なども輩出してしまい、免疫力も上げると。
この効果たるやすさまじい。正直血圧は下がらなかったが、糖代謝は健康診断でD判定であったものがAまで戻り、コレステロールも改善、なぜだかずっと悩まされていた魚の目まで小さくなった。腸の機能も改善しているので、昔はラーメンを食べるたびにお腹を壊していたのに、ファスティング後はどれだけギトギトだろうが全然平気。もちろん、体重も一回のファスティングで3キロほどは減少したし、代謝機能自体が回復しているので、リバウンドもない。健康診断結果は、年齢の割にはかなり良好なものとなっている。
このファスティング、色々なパターンがあるが、私はいつも一週間コースでやっている。全く食べない期間が3日間あるのだが、その前後2日間ずつが、それぞれ準備期間、回復期間としてあり、合計一週間である。いつもこの全く食べない3日間をどこかの三連休にぶつけて行っている。準備期間、回復期間は、レトルトのおかゆのようなものを一日2食食べるのだが、これがなんというか、、、マツコ・デラックス風に言うと「好きな人は好きよね」。まあ要するに全然口に合わないのである。なんかもう、ちょっとえづいちゃったりして、全く食べない3日間の方が個人的には楽だったりする。ちなみに、7日間通して、酵素ドリンクを水で薄めて飲むのだが、これが甘いので、実はほとんど空腹を感じずに過ごせている。個人的に苦痛と言えるのはこの前後2日間の食事のみである。
そしてこの7日間を終えた後の一食目、これがもう、本当にたまらない。空腹をあまり感じないとはいえ、やっぱり最後の方は食べることしか考えなくなっている。そのためファスティング後の一口は、サウナ後の水風呂と言えばいいか、喫煙者にとっての国際線乗った後の一服と言えばいいか、とにかく大変な快感である。ちなみに、前々回の解放一食目はカツ丼(普段はカツなのに衣が湿るのが意味分からんので絶対食べない代物である)、前回の解放一食目はいきなりステーキで目一杯分厚いのを行った。本当は急に重いの食べちゃダメなんだけど。。。さて今回は何を欲するか、正月明けの三連休を含む7日間で予定しているが、今から楽しみである。
でもファスティング、本当に体に良いので、皆さんもぜひ、お試しあれ。
パートナー 宮之原大輔