第11話 コーポレートガバナンスの概要

えー、安藤エイタです。今日は、コーポレートガバナンスの概要についてお話しします。

諸福あゆみ
最近、車の事故のニュースが多いわね
安藤エイタ
本当ですね
諸福あゆみ
ウチの配送や営業の人たちにも気を付けてもらわなくちゃね
安藤エイタ
こんどの取締役会で、役員のみなさんに注意喚起してもらうようにお願いしましょう
諸福あゆみ
次の取締役会っていつだっけ?
安藤エイタ
来週ですよ。次回は、海外展開の件や、それに伴う生産能力増強の件など、重要議案がたくさんですよ
諸福あゆみ
会議ってあんまり好きじゃないのよね。だいたい私が社長なのに、どうしていちいち会議で決めなくちゃいけないのかしら?
安藤エイタ
会社は組織ですからね。組織がおかしな方向に行ってしまわないように、ちゃんとした仕組みが必要なんですよ
諸福あゆみ
ちゃんとした仕組みって言われてもねえ
安藤エイタ
例えば、私が会社を始めようと思ったとします
諸福あゆみ
あら、どんな会社なの?
安藤エイタ
この際それは置いておきまして、その会社に社長が出資してくれるとします。つまり、あゆみ社長が株主というわけですね
諸福あゆみ
安藤君が社長なの? 大丈夫なのかしら?
安藤エイタ
ほら、心配ですよね
諸福あゆみ
確かに、お金を出した株主の立場に立ってみれば、安藤君がどういう経営をするのかとても気になるわ
安藤エイタ
そうなんです。そこで、株主は言うんです。どういう経営をしたのか、その結果儲かったのか損したのか、年に1回は報告しなさい、と
諸福あゆみ
わかった! それが株主総会だ
安藤エイタ
そうです。でも、年に1回の報告だけじゃ、まだ心配ですよね
諸福あゆみ
そうね。安藤君が勝手に暴走しちゃうかもしれないし
安藤エイタ
そこで、また株主は言うんです。大事なことは何人かで話し合って決めなさい、と
諸福あゆみ
それが、取締役会というわけね
安藤エイタ
その通り。でも、心配性の株主はさらに言うんです。話し合いがちゃんと行われてるかどうか、株主に本当のことを報告してるかどうか、だれかチェックしなさい、と
諸福あゆみ
それは、監査役ね
安藤エイタ
そうです。こうした一連の、株主が経営者を管理する仕組みのことをコーポレートガバナンスというんですよ
諸福あゆみ
最近、新聞とかでよく見るコーポレートガバナンスって、そういうことだったのね
安藤エイタ
上場審査でも、もちろん、このコーポレートガバナンスがどうなっているのかという点は、しっかりチェックされるんですよ。上場企業には、上場企業にふさわしいコーポレートガバナンスがありますからね
諸福あゆみ
だから、安藤君は、会議だ会議だってうるさかったのね
安藤エイタ
大事なのは、会議を開催することじゃなくて、会議の中身ですけどね
諸福あゆみ
でも、あんまり管理ばっかりされちゃ、経営者は窮屈になって、結果的に会社のためにならないこともあるんじゃないの?
安藤エイタ
コーポレートガバナンスは、単に、経営者が悪いことをしないように監視することだけが目的じゃないんですよ。会社を成長させるための経営判断が機動的に行える仕組みになっているかどうか、そこも重要なんですよ
諸福あゆみ
要するに、経営のアクセルとブレーキを踏み間違わないようにする仕組みが大切というわけね

(つづく)

第12話 コーポレートガバナンスのポイント

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