資産管理会社の活用について

執筆者:石川正敏氏(あいわ税理士法人代表)

※所属・肩書は掲載当時のものです。

上場準備会社のオーナーが所有する自社の株式は上場後に時価が高騰するため、上場後にオーナーに相続が発生した場合に、相続人は莫大な相続税を負担しなければならないこととなります。

今回は上場準備会社のオーナーの相続対策として、資産管理会社の活用をご紹介いたします。

まず、上場準備会社A社のオーナーは資産管理会社B社を設立し、所有するA社株式をB社へ売却し、資産管理会社B社の株主となります。この際の売却価額は法人税法上の時価による必要があります。

ここでは仮にA社株式の時価を1株1万円とし、5千株をB社へ売却、買取資金の大半はオーナーからの借入金とします。

ここでオーナーの所有株式は上場株式Aではなく、未上場株式Bとなります。

通常、資産管理会社の株式の評価方法は「純資産価額方式」が適用されますが、この評価方式では、含み益がある資産を保有している場合、含み益の42%が評価額から控除されます。

仮にオーナーに相続が発生した際のA社株式の株価を1株5万円とすると、A社株式をそのまま所有していた場合の相続税評価額は2億5千万円であるのに対し、B社を活用することにより相続税評価額を1億1千7百万円にまで下げることができるのです。

なお、上場前にB社持分(資本金百万円)の全部もしくは一部を配偶者や子供等に贈与すれば、より大きな節税効果があります。

また、資産管理会社を設立することで、配当に対する課税のメリットもあります。

通常、上場株式の配当については10%(平成26年からは20%)課税されますが、発行済株式の3%以上を所有する個人株主は総合課税となっています。

上場会社のオーナーともなれば最高税率50%(平成27年からは55%)となる場合も多いでしょう。

そこで、資産管理会社に上場株式を所有させ、資産管理会社で受取配当金の益金不算入制度を適用することにより、配当に係る税金を圧縮(税率はおよそ20%程度)することが可能になります。

2013/04/15 発行 IPOかわら版【第16号】掲載

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