暴力団排除条項を巡る最新動向

執筆者:芳賀氏(株式会社エス・ピー・ネットワーク総合研究室主任研究員)

※所属・肩書は掲載当時のものです。

1 警察庁通達の改正

平成23年12月に警察庁の内部通達「暴力団排除等のための部外への情報提供について」が改正され、「事業者が、取引等の相手方が暴力団員、暴力団準構成員、元暴力団員、共生者、暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有する者等でないことを確認するなど条例上の義務を履行するために必要と認められる場合には、その義務の履行に必要な範囲で情報を提供する」とされました。

警察が情報提供により積極的になったと言えますが、それでもなお、「通達が変わったので自助努力は不要であり、必要なら警察に確認すればよい(警察は教えてくれる)」といったような解釈・実務ではない点に注意が必要です。

確かに、企業の自助努力には限界があり、警察(や暴追センター)に確認することは見極めの「最終手段」になり得ますが、今回新たに情報提供の対象となった「共生者」「暴力団員と社会的に非難されるべき関係にある者」「総会屋及び社会運動等標ぼうゴロ」「暴力団の支配下にある法人」などは、貴重な情報ではあるものの、警察も完全に把握できているわけではなく、そこで確証を得られなかったとしても、自らの企業姿勢や説明責任に照らして取引の可否等を個別に判断していくことが重要です。

2 暴力団排除条項(暴排条項)の見直し

東京都暴力団排除条例など多くの条例では、暴排条項の導入を努力義務として規定しています。しかし、実務上は、暴排条項の導入は努力義務ではなく「最低限必要な取組み」だと言えます。

前項とも関連しますが、警察からの情報提供の条件として、何よりも「排除に向けた強い意思があるか」が求められ、「絶対に排除する」ことが大前提となります。したがって、その根拠となる暴排条項の導入は必須であり、それがない場合は情報提供はなされません。

さらに言えば、排除すべき者が「共生者」であれば、暴排条項における排除対象として規定されている必要があります。既に暴排条項を導入していたとしても、全銀協「取引約定書における暴力団排除条項参考例」に例示のある共生者5類型などを含む最新の内容にて更新されていることが求められます。

さらに、東京都暴力団排除条例第18条の「関連契約」(当該事業に係る契約に関連する契約)について、相手方が契約している下請業者や仕入に使う運送業者など「当該業務の関係者」が、暴力団等である場合にそれを排除するよう相手方に求める、それに非協力的な場合に相手方との契約を解除できるよう暴排条項に規定するよう求められている点にも注意が必要です。

2012/04/12 発行 IPOかわら版【第12号】掲載

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