第15回 リース会計

みなさん、こんにちは。
最近、花粉症になりかけているんじゃないかと戦々恐々としている寺田です。

この数年はそんな感じが続いてて、まだ致命的な症状ではないのですが・・・
ということで(!?)、今回はリース会計について触れたいと思います。

IFRSでは、リース会計は、IAS17号「Leases」において規定されています。

日本基準では、「リース取引に関する会計基準」及び「リース取引に関する会計基準の適用指針」において規定されています。
日本の会計基準と適用指針については、IFRSとのコンバージョンの一環で、平成19年3月30日に改正されています。その結果、日本基準とIFRSとの差異はそれなりに少なくなっていると思われます。

日本基準では、改正前の会計基準だと、ファイナンス・リースを所有権移転と所有権移転外の2つに分けて規定していました。具体的には、所有権移転外ファイナンス・リースは、通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理をせず、所定の事項を注記すれば良いことになっていました。但し、改正後の会計基準によれば、所有権移転外ファイナンス・リースについても、通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理をすることが求められるようになっています。

従来の日本基準と国際会計基準との一番大きい相違点は、この所有権移転外ファイナンス・リースの取扱いであったので、この平成19年3月30日付の日本基準の改正において、両者の差異は実質的には無くなったと言えるでしょう。
とは言え、まだ両者間の差異は若干あります。

現時点での両者の差異を簡単に列挙すると以下の3つと思われます。

① ファイナンス・リースの定義

≪IAS17号≫
ファイナンス・リースを「所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて移転する場合」のリースと定義した上で、例示として以下の5つを挙げています。
(a) 当該リースにより、リース期間の終了までに借手に資産の所有権が移転される場合
(b) 借手が、選択権の行使日の公正価値よりも十分に低いと予想される価格で当該資産の購入選択権を与えられており、リース開始日に当該選択権の行使が合理的に確実視される場合
(c) 所有権を移転しなくても、リース期間が当該資産の経済的耐用年数の大部分を占める場合
(d) リース開始日において、最低リース料総額の現在価値が、当該リース資産の公正価値と少なくともほぼ等しくなる場合
(e) リース資産が特殊な性質のものであり、その借手のみが大きな変更なしで使用できる場合

≪日本基準≫
ファイナンス・リースを「リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借手が、当該契約に基づき使用する物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引」と定義しています。(ちょっと長いですね。。)
その上で、適用指針において、ファイナンス・リースと判定される以下の数値基準を示しています。

・リース料総額の現在価値が、当該リース物件を借手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金額の概ね90%以上
・リース期間が、当該リース物件の経済的耐用年数の概ね75%以上

上記の適用指針で示された2つの数値基準は、IAS17号で例示している(c)と(d)にそれぞれ対応していると思われます。日本基準では、具体的な数値基準を示している点で、「IFRSは原則主義、日本は規則主義」を端的に表していると言えます。

② 簡便法の適用
日本基準では、以下のようなファイナンス・リース取引であれば、簡便法(売買取引ではなく、賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理)が認められています。

・リース期間が1年以内のリース取引
・企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引で、リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下のリース取引

IAS17号では、上記のような簡便法の規定はありません。(あったとしても、「1年以内」や「300万円以下」のような数値基準は示されないんでしょうね)

③ オペレーティング・リース

≪IAS17号≫
「リース期間にわたり定額法によって費用として認識する」との文言
(特に、IAS17号34項では、「~たとえその支払額が定額法によっていない場合でも、定額法によって費用として認識する。」旨の規定があります。)

≪日本基準≫
「通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行う」との文言
実質的に大きな相違ではないですが、表現の方法が異なっていると思われます。(日本においても、上記のIAS17号34項に準じた会計処理をしているケースもありますし・・)

なお、以前このコラムでも触れましたが、現状IASB(国際会計基準の設定主体)とFASB(米国会計基準の設定主体)が共同で会計基準を見直している作業が進められています。その見直し作業の項目にリース会計も入っています。その作業過程において、オペレーティング・リースについても、ファイナンス・リースと同様に売買取引に準じた会計処理を行う方向で検討されているようです。
2011年半ばまでに改訂基準を開発する予定となっているようなので、要注目ですね。(というより、恐らく今後はオペレーティング・リースもオンバランス処理になるのでしょうね。)

ということで、また来月。

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