第7回 我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書

みなさん、こんにちは。
一昨日(執筆時点)から眼にものもらいができて、テンションが低くなっている寺田です。

今回は、先月(09/6月)に企業会計審議会から「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」が公表されましたので、当該意見書について触れたいと思います。
会計処理等を中心にコラムを書いてきましたが、今回は番外編です。
現時点では結構重要な情報かな、と思いまして・・・。

第1回のコラムで取り上げたように、世界各国(特に米国)でIFRSを摘要する流れのなかで、2008年7月・9月に金融庁は「我が国企業会計のあり方に関する意見交換会」を開催し、幅広い分野の有識者から意見を募りました。その後、議論は企業会計審議会の企画調整部会に引き継がれ検討されている状況のなかで、今回の意見書が公表された経緯です。

既に、案ベースでは公表されていたので、お読みになっている方もいらっしゃるかも知れませんが、正式公表されたので、改めて当コラムで取り上げたいと思います。
なお、原文は金融庁のHPで見ることができます。

今回の中間報告のポイントは、以下の2点ということになっています。

(1)任意適用
2010年3月期(年度)から、国際的な財務・事業活動を行っている上場企業の連結財務諸表に、任意適用を認めることが適当
(2)将来的な強制適用の是非
強制適用の判断時期は、2012年を目途(2012年に判断の場合、2015年又は2016年に適用開始)

自分なりに、意見書の骨子を以下にまとめてみました。

1.我が国の会計基準についてのコンバージェンスの継続の必要性
・引き続き、コンバージェンスの努力を継続していくことが必要
・その際には、「連結先行」の考え方で対応していくことが考えられる
・なお、IASBが、FASBと合意した作業計画(MOU)に基づき、IFRSの改正作業を継続することを表明していることに留意が必要である

2.我が国企業へのIFRS適用に向けた基本的考え方
・我が国において、IFRS適用に関するニーズと課題の双方がある
・従って、我が国会計関係者が中長期的な展望を共有した上で、様々な課題に取り組みつつ、国際情勢等の今後の状況変化に応じて、IFRSの取扱いを検討する必要がある

3.IFRS適用に向けた課題
・IFRSの内容について、我が国の商慣行や企業実態を反映したものになっている必要がある
・IFRS適用にあたっては、日本語に適切に翻訳されている必要がある
・IFRSの設定におけるデュープロセスの確保を図ることが重要になる
・IFRSの各関係者に対する教育や訓練を行い、適切な実務対応を図ることが重要になる
(関係者としては、投資者、作成者、監査人、当局、教育関係者、市場開設者が挙げられる)
・IFRSの設定やガバナンスについて、会計基準に関する我が国の国際的なプレゼンスを強化することが重要である
・IFRSを適用する場合でも、IFRSに基づく財務諸表がXBRL形式により開示可能な状況となっていることが必要である

4.任意適用
・国際的な動向等を見極めた上で、IFRSの将来的な強制適用の展望を示し、IFRS適用の前提となる課題に着実に取り組みつつ、任意でIFRSの適用を認めることが考えられる
その際には、以下のような点を検討する必要がある
Φ任意適用の対象
(具体的には、IFRS対応能力があり、かつ国際的な事業活動を行っている上場企業の連結財務諸表が考えられる。いずれにしても、当局が適切に判断することが適当)
Φ 任意適用時の平行開示
(開示情報の充実と作成負担を配慮して、簡素で有効な情報開示の方策を検討することが適当。例えば、適用初年度のみの平行開示とか)
Φ任意適用時において適用するIFRS
(基本的にはIASBが作成したIFRSをそのまま適用することが考えられる)
Φ任意適用の時期
(2010年3月期の年度の財務諸表から任意適用を認めることが適当)
Φ個別財務諸表の取扱い
(少なくとも、任意適用時には連結財務諸表のみ認めることが適当。但し、連結財務諸表を作成していない場合は、追加的なIFRSによる個別財務諸表を認めることが適当)

5.将来的な強制適用の検討
・我が国においてもIFRSを一定範囲の我が国企業に強制適用するとした場合の道筋を具体的に示し、前広に対応することが望ましい
・他方で、今後の諸情勢については不透明なところもあり、諸課題の達成状況等について十分に見極めた上で、強制適用の是非も含め最終的な判断をすることが適当である
・その際には、以下のような点を検討する必要がある
Φ強制適用の判断の要素及びその時期
(国内外の状況等を踏まえて判断する必要があるため、現時点ではなく、将来の一定の時期に決定することが適当。具体的には、とりあえず2012年を目途とすることが考えられる)
Φ強制適用対象及び方法等
(現時点では、グローバルな投資の対象となる市場において取引されている上場企業の連結財務諸表を対象とすることが適当。段階適用か一斉適用かは、改めて検討・決定することが適当。少なくとも3年の準備期間が必要となると考えられるため、2012年に強制適用を判断する場合には、2015年又は2016年に適用開始となる)
Φ個別財務諸表の取扱い
(上場企業の連結財務諸表のIFRS適用に加えて、個別財務諸表にも適用することについては、強制適用の是非を判断する際に、幅広い見地から検討を行う必要がある。また、連結財務諸表を作成していない上場企業について、追加的に監査を受けたIFRSによる個別財務諸表を作成することを求めることが考えられる)

6.今後の対応に向けて  →ここは、原文のままです。
我が国会計基準をとりまく内外の諸情勢を踏まえ、以上のとおり、現時点で我が国企業に対するIFRSの適用についての将来展望を示すこととするが、IFRSの適用までには、IFRSの内容の検証の必要性、基準設定プロセスへの積極的関与の確保、作成者、監査人、投資者、当局等の準備の問題、米国の将来の不透明さなど、様々な越えるべき課題が存在する。これらの課題に対して、引き続き、関係者が協力して、適時適切に対応していく必要がある。
また、IFRSの適用には、我が国の会計基準とIFRSの基準及び実務のコンバージェンスが大きく進展している事が不可欠であり、関係者の一層の努力が望まれる。当局においては、この観点からも、基準のみならず実務のコンバージェンスが進展しているかという点を関係者と協力しつつ確認しておくことが求められる。
さらに、仮に、IFRSを適用する場合であっても、我が国会計基準の必要性が無くなってしまうことはあり得ない。今後とも、我が国会計基準が、高品質でかつ国際的にも整合的なものとなるよう、関係者による不断の検討・対応が行われることを期待する。

大分コンパクトにまとめたつもりなんですけど、結構長くなっちゃいましたね!?
特に解説やコメントを付すような内容ではありませんが、とりあえず現状の動向を知って頂ければ、と思います。
もう疲れてしまったので、今回はこんな感じで。
今イチ面白みに欠けた(僕的には)感じになってしまいました。。。

ということで、また来月。

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