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風神雷神図

05.04

今回は、自分の好きな絵の一つである「風神雷神図」について触れてみたいと思います。
≪「風神雷神図」について≫
「風神雷神図」とは左手に「雷神」、右手に「風神」が屏風に描かれている絵です。一度はご覧になった人もいらっしゃると思います。
実は同じ構図の「風神雷神図」は、3つあるといわれています。
作者としては、
俵屋宗達(生没年不詳)
尾形光琳(1658年-1716年)
酒井抱一(1761年-1829年)
が挙げられます。
上記に記載したとおり、俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一の生没期間(俵屋宗達は生没年不詳ですが・・・)は同期間ではありません。もしかしたら、俵屋宗達・尾形光琳は同じ時代に生きたかもしれませんが、両者に師弟関係があったとはいわれていないとのことです。
しかし、俵屋宗達の「風神雷神図」を尾形光琳が尊敬の念をもち模写し、同様に、尾形光琳の「風神雷神図」を酒井抱一が尊敬の念を持ち模写した結果、同じ構図の「風神雷神図」が3つ生まれました。
尾形光琳に傾倒していた酒井抱一は、俵屋宗達のオリジナルの「風神雷神図」の存在を知らず、尾形光琳の「風神雷神図」がオリジナルと思っていたみたいです。また、酒井抱一は、尾形光琳の「風神雷神図」の屏風の裏に「夏秋草図屏風」という絵を残しています。
≪「風神雷神図」の見分け方≫
同じ構図の「風神雷神図」が3つあること自体は前から知っていたのですが、どれが俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一の書いたものか見分けられませんでした。
しかし、最近見たテレビ番組で、その見分け方を知りました。それは、風神・雷神の視線に注目するというものでした。
俵屋宗達版:風神の白目の真ん中辺りに黒目があり焦点が定まっておらず、風神・雷神の視線が見詰め合う形になっていない。
尾形光琳版:風神・雷神の視線がそれぞれやや下向きになっており、風神・雷神の視線が見詰め合う形になっていない。
酒井抱一版:風神・雷神の視線がそれぞれ水平になっており、風神・雷神の視線が見詰め合う形となっている。
この視線に注目した見分け方で、いままでもやもやしていた3つの「風神雷神図」の区別ができるようになり、これからも何度も目にする機会のある「風神雷神図」にますます愛着がわきました。

氏名:三矢 涼
出身:東京
趣味:読書、散歩、日本史の情報収集

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