A&A blog

私は犬が大好きだ

11.10

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これまで、このブログに猫は2回登場しましたが、犬は1回もありません。今回、バランスをとる意味で、犬を登場させます。

子供の頃、近所にクロという名前の犬がいました。名前の通り全身ほぼ真っ黒な犬でした。何分子供のころのことなので、どんな種類の犬かは覚えていませんが、今で言うところの中型犬ぐらいの大きさであったかと思います。その家には、当時50歳くらいのおばさんと、その息子夫婦が住んでいました。息子夫婦の記憶は全くありませんが、そのおばさんのことは不思議と覚えています。とても優しい人で、いつも笑顔を向けてくれました。私の家では、そのおばさんを、クロのおばさんと呼んでいました。

ある日のこと、その家の近くに当時よく見かけた3輪トラックが止まって、引っ越し荷物を積み込んでいました。3人家族で住むには家が狭いので、息子夫婦が引っ越すことになったのでした。狭い家のためか、引っ越し荷物も3輪トラックで十分間に合ったのでしょう。トラックの出発を見送りましたが、クロは荷台の片隅で、おばさんの息子に抱かれていました。

おばさん一人が家に残りました。クロがいなくなってもクロのおばさんでした。

引っ越ししてから1週間ぐらい経ってからのことでした。学校から帰ると、母が驚いた表情で私に言いました。

「クロが今日戻ってきたって!東京から1週間かけて戻ってきたのよ!」

「エッ本当なの?東京から一人で歩いてきたの?」

「そうなのよ、クモの巣が着いた汚れた体で戻ってきたって。相当疲れているようだよ。」

引っ越し直後に失踪し、それから一週間後の朝のことだったそうです。

雨戸をあけると、おばさんに向かって、嬉しそうにシッポを振るクロがそこにいたそうです。

どうやって家を探し当てたのか、とても不思議でした。きっとトラックの荷台から、必ずおばさんに会いに戻るんだ、という一心で、途中の景色を眼に焼き付けたのでしょう。

鎌倉までの50KM もの距離を、一週間かけて歩き続けてすっかり衰弱したクロは、それから数日後、大好きなおばさんに看取られて、息を引き取ったそうです。

 

この一件は、私に犬への強い思いを抱かせました。それ以来、私は犬が大好きなのです。

進藤 直滋

私の会計士人生は、いつの間にか40年を越えています。
最初の10年に比べ、後半の30年は、大きな変革の中を通ってきた感じです。
これからの変化は、間違いなくもっと大きくなるでしょう。

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