A&A blog

クマに逢えたら

12.05

登山やトレッキングが好きで、夏から秋にかけて、天気がよければほぼ毎週出かけています。
ここ数年は、私が山形に住んでいたこともあって北日本の山に登ることが多かったのですが、北日本で多いのは、やはりクマです。
一般的にクマは、人間の気配を察知すると逃げていくと考えられているため、クマ避けとして荷物に鈴をつける、あるいはラジオをかける方が多いなか、長らく私は何らのクマ対策も講じず無防備に登り続けていましたが、昨夏にツキノワグマとご対面してから、鈴をつけるようになりました。ただ、クマにも人間同様に個体差があり、鈴の音を聞いても意に介さないクマ、逆に寄ってくるクマもいるようで、鈴を装着していたにも関わらず、今夏は、体長2メートルほどのヒグマに遭遇してしまいました。

北海道北東部、知床半島の中ほどに、羅臼岳という山があります。北海道の山は全体的にアクセスが不便ですが、羅臼岳は、知床が世界遺産に登録されていることや、日本百名山のひとつであることもあってか、それなりの数の登山客がいます。しかし、後で知りましたが、登山者の約9割は、山頂までの距離が短い、岩尾別という登山口を利用するそうで、一方の私は、羅臼温泉口という別の登山口から入ったため、登り始めてから両登山口の合流地点に至るまで、誰にも会いませんでした。人気の無いところにクマ在りです。
登山口にある登山届提出箱の上には一冊のノートが置かれていて、開くと、登山者からのクマ目撃情報が寄せられていました。最新の目撃情報は、私が登山した前日のものでした。緊張は走ったものの、木彫りでなければ日々、移動しているでしょうから、構わず進みました。
しばらく進むと、遭遇しました。

キツネです。
北海道で運転していると、車道の横を物欲しげな様子で歩くキツネはよく見ますが、山で見たのは初めてのように思います。こちらに気づいていますが、登山道の真ん中に寝そべって、動こうとしません。少し驚かせてみると、そのキツネ以上に、脇に潜んでいた何かしらの動物が驚いたようで、笹藪が大きく揺れました。揺れ方からして、大型の動物かと思いましたが、逃げてくれたならよし、ということで先に進みました。今から思えば、予兆だったのかもしれません。
その後2時間少し歩いたところで、屏風岩と呼ばれる、視界の開けた場所に出ました。ここから山頂までは、やや勾配が急になります。ひと休みのため腰掛けようとしたとき、背後の藪からニョキッと山の住人が顔を出しました。振り返るとそこには、

今度はヒグマです。
私との距離は、4~5メートルほどしかありませんでした。逃げ切れる訳もなく、勝てる訳もなく。
唯一の望みは、まだ目が合っていないことでした。しかしこの体の向きのままだと、コンマ5秒後には目が合ってしまいます。そこで、グルッと半回転してクマに背を向けました。
一般論としてクマは背を向けた相手を追ってくるそうで、私の対応は本来タブーなのですが、そもそも鈴の音を聞いて逃げてくれなかったクマなので、一般論の通じない御方であることに賭けました。
貴殿に対し敵意はありません、と背中で主張しながら、ゆっくりと離れました。
追ってくるか!?
追ってくるか?
追ってこないのか?
追ってこないのかな?
追ってこないみたいだ
さすがにもう追ってこないな

自分のなかで、追ってこないという確信を得るために、100メートルほどを要しました。
十分離れたところで、満を持して振り返ると、ヒグマは3頭に増えていました。親子連れでしょうか。餌を探しているようです。
何れにせよ、助かりました。

ただ、このヒグマとの遭遇は、不幸ではありましたが偶然ではありませんでした。出会いの場は、登山口にあったノートに前日の登山者が書き残したクマ目撃情報と同じ場所だったからです。

その後、無事山頂に到達した後、ヒグマに出くわした道をまた通るのは嫌だったのですが、別の道から駐車場まで帰ると大まわりになるので、餌を取り終えて帰宅していることに期待して、来た道を戻りました。結局、また会ってしまいました。

名前:割石真仁
出身:徳島県
経験分野:会計監査(金商法、会社法、社会福祉法人)、上場準備、地方公会計導入支援、IFRS移行支援、Javaプログラミング

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