ちょっと前のこと。
仕事が終わり帰宅中、乗り換えの地下鉄のホームにいました。
電車がホームに入ってきてドアが開いた瞬間、
「きゃー、助けてください！」という女の子の叫び声がしました。
聞いたことがないようなすごい叫び声で、何が起こったのか判らず、勝手に男が刃物を持って振り回す情景を想像してしまいました。
辺りを見回してもそんな男は存在せず、男は電車の中にいるんじゃないか、とか僅か数秒の間にそんなことをきょろきょろとしながら思っていると、
ちょっと先の方で「弟が、弟が」と女の子（小学校高学年ぐらい）が言っています。
「弟が下に落ちた」
どうやら電車とホームの隙間に弟くんが落ちてしまったようです。
それはそれで大変なことで、
「電車を止めなきゃ。」
「緊急停止ボタンは？」
「あ、でも今電車は止まってるし・・。」
などと頭の中ではいろんなことを考えながら、体は動かず、結局のところ駅員さんがホーム下から弟くんを引っ張り上げてくれました。
駅員さんは慌てることなく冷静に、それどころか優しくにこやかに対応していました。
電車は２、３分多く停車しただけで何事もなかったように出発し、私もその電車に乗って帰ったのですが、緊迫した叫び声を聞いたせいか、変な想像をして慌てたせいか、しばらく動悸が収まらず、ちょっと落ち着いてくると、今度は疲労感とともに自分は咄嗟のときには行動ができない役に立たない人間なんだなと反省したりしました。
何事もなくてよかったのですが、なんだか疲れたり落ち込んだりした帰り道でした。
「○○が食べたい！」シリーズはまた今度。